ソチ五輪も近くなってきました。五輪を独占放送するNBC系のNBCSN(ダカールラリーの放送があるのでここの所毎日視聴しています)でも五輪放送の宣伝が激しくなってきています。四年前のバンクーバー冬季五輪でのカナダ x アメリカの土壇場で延長戦にもつれこんだあのビッグマッチの記憶を呼び戻す映像も使っての五輪宣伝CM、期待が高まります。各国の代表チームのメンバーも新年になってから次々と発表になってわくわく感も高まってきているところ。アメリカ代表のメンバーはNHLのトップスターの数は若干強豪他国に劣るもののそれでもやはり気分は上がってきます。米代表はGKのツートップの充実感があります。この辺り、サッカーでも米代表は過去からGKに人材が揃っているのとなにやらリンクするところがあるのかないのか。大型選手の供給に事欠かないアメリカのスポーツ人材の厚みのなせる技でしょうか。

それにつられて週中はホッケーを見る機会が増えています。これこそが正にNHLや放映権を持つNBC系の狙っているものでしょう。たまたまでしょうが私のチャンネルを合わせた最近のNHL放送は好試合が多く楽しんでいます。激しさスピードを楽しめる昨今の大画面・高精細のTVが家庭に入り込んだのはホッケーというスポーツにとっては好環境なのだなと改めて思うことしきりです。


NHLのカナダ側でのTV契約が昨年12月に締結。2025-26シーズンまでの12年間でC$5.2 Billionという驚きの数字。現行ほぼカナダドルと米ドルは等価なのでざっくり米ドルと同様に換算しますが、年間$433 Millionの契約。カナダ側のみで、です。人口3000万人のカナダです。日本円にして為替次第ですが毎シーズン400億円とか500億円。一体そのお金どこから元を取るんだよ?という金額です。アメリカ国内でのスポーツコンテンツ不足と囲い込み合戦はメジャースポーツの契約金額を途轍もない額に跳ね上げているのですが、メジャースポーツだけでなく準メジャースポーツにも放映契約金額のインフレにつながっています。それがカナダ側にも波及したという風に見るべきなのでしょう。

ちなみに準メジャースポーツがこのインフレ傾向の恩恵を受けた例としてはNASCARの放映権契約がFOXとの間で10年$2.4 Billion(シーズン前半のみの放映権、含Daytona 500)、NBCSNがこれまた2015年から10年契約(金額未公表、優勝争いの時期を含むのでFOXの契約よりかなり高いはず)で売れちゃったというのがありました。NASCARは2005-2006年辺りをピークに完全にブームが終わってTV視聴率はピーク時から47%減という所まで減らしているのですがそれがなぜか放映権料大幅アップで契約締結。スポーツ放映権料インフレ様々という事になってます。NBCSNはESPN系や昨年発進した新装開店FOX Sports 1とスポーツ放送で争っているところで、現行の手持ちのメインコンテンツは五輪、NHL、EPL、F1など。国内サッカーMLSの放映権も現行保持していたのですがサッカーではEPL一本に乗り換えるようでMLSの放映権更新はしないと発表。ただそのMLSもESPN/FOX系との契約に成功、年間$70 millionという放映権料を手にすることになりました。金額や契約年数はNHLやNASCARから桁が一つ少なく見劣りするもののの、それでもこちらもインフレ・囲い込み合戦の恩恵での現行の金額四倍増契約です。MLS放送はNBCSNで華々しく2012年に発進したものの2013年シーズンは視聴率が大きく下がってしまいNBCSNではサッカーのメジャーリーグEPLと新たに契約したNASCARの週末放送に押し出された形になります。MLSの新契約先のESPN/FOXでの放映形態がどういうものになるかは未定です。FOXの場合は2018年サッカーW杯の放映権も持っているのでそれとの相乗効果狙いの面もあるか。ESPNはMLS創設時の零細時代からの付き合いで、MLS自体の視聴率は今年も下がってしまったもののサッカーがアメリカで人気を伸ばしている局面と考えれば今引くのはもったいないというところでしょうか。ESPNの予算規模からすれば高い買い物ではないですし。