Big Ten優勝戦、おもしろかったです。No. 2 全勝Ohio Stateが、全米最強ディフェンスを誇るNo. 10 Michigan Stateを迎え撃った一戦。Ohio Stateが勝利すればBCS優勝戦進出が決まるはずの一戦でしたが、熱戦の末Michigan Stateが持ち味を発揮して34-24で再逆転勝ち。Michigan StateはBig TenチャンピオンとしてRose Bowlへ。Michigan StateのRose Bowl行きは1987年シーズン(試合自体は1988年)以来26年ぶり。途中Michigan StateはBig Ten同点優勝が二度ありましたが巡り合わせ悪くRose Bowl出場は久々ということに。

なんと言ってもMichigan Stateの勝因はQB Braxton Millerのランを封じ込めつつ、ディフェンスセカンダリが1-on-1の機会にきっちり追従してつぶし続けられたことでしょう。Millerのラン封鎖は言うほどに簡単なことではないのですが、ディフェンスラインやLBが抑制を持って圧力をかけ、いたずらに自分の対面選手を出し抜こうとするのではなく、Miller封鎖を念頭に置いてチームとしてバランス良く囲みを形成していたのが奏功。セカンダリの方はCBの1-on-1追従性能の良かった上にセーフティの位置取りが良いプレーが多かったと見ました。

逆にOhio Stateの敗因ですがRB Carlos HydeがMichigan Stateの最初のデフェンスをかわそうとするような動きが多く、過去の試合でOhio Stateがものにしてきたような相手ディフェンスを疲弊させて試合終盤にパワー勝ちというパターンに持ち込めなかった。試合開始早々からHydeをスクリーンに展開するプレーを多発。これはもちろん後で縦ランをやりたい故の陽動の見せプレーだったでしょうが、Michigan Stateのディフェンスフロントはそれに惑わされず。またHydeが縦に突っ込むプレーでもHyde自身が自分からスクリメージで相手をかわそうとする=強引な突撃をしていない。これでは相手は疲弊してくれません。Millerもオフタックルへのランを試合途中から嫌がるようなところがありました。Hyde、Millerの二枚看板が共にまともに突っ込むことを嫌がっているということは、TVからは見とれなかったですがMichigan Stateの内側ラインメンの守備範囲と圧力がよほどのものであったということなのでしょう。0-17から24点連取で逆転を決めた迫力が試合を盛り上げてくれましたが結果は追い込まれてHydeを使う選択肢がなくなるとあとはMillerの個人技に頼るのみ。Michigan Stateにこれを試合終盤に抑えこまれて敗戦、全米制覇の夢はここに散ることに。

Ohio StateはこれでHC Urban Meyerになってからの初の黒星。Big Tenのスケジュールの弱さを散々に指摘されてシーズン通して他の全勝校の後塵を拝し続け、やっと先週のAlabama敗戦でBCS優勝戦へのチャンスを得たものの即敗戦。残念な部分の多いシーズンになりました。BCSボウルではSugarでそれぞれ全米制覇まであと一勝だったAlabamaとの直接対決という魅力的なカードが見たいところですが、実際はOrange BowlがSugarよりも先行選択権があるのでOrange行きか。

惜しいのはMichigan State。これで12勝1敗の好成績の上に1敗はNotre Dame戦での13−17での敗戦のみ。あの試合はMichigan Stateに対する疑問のあるパス妨害反則が課せられてのNotre Dameの勝利となった試合で、あの一試合がなければ(たらればです)Michigan StateがBCS優勝戦行きという可能性だってなくはなかったシーズンということになります。


今季はAuburn, Missuori, Michigan State, Baylorとプレシーズンではランク外だった各校が最終ランクでトップ10を占めるはずで、巨大なアップセットと言える試合は少なかったように感じますが、全体として意外な学校の活躍で盛り上がったシーズンと言えるのでしょう。