高校バスケオールスター戦と言えるMcDonald's All-American Gameを録画観戦。さすがに話題はKentuckyの史上最強リクルート陣と、最後の大物Andrew Wigginsの話題が多かったです。Kentukcyはこの秋の入学新入生として七人がコミット済み。この日のAll-American戦にはそのうち六人が出場、四人が先発選手として名を連ねました。前回のこの話題の記事のコメントで Aaron GordonもKentuckyに追加コミットしたと書きましたがそれは間違いだったようで、同じニックネームのWildcatsでもArizona Wildcatsへの入学を決定していました。

おさらいですがKentuckyへの入学を決めている七名は以下の通り


G Aaron Harrison ☆☆☆☆☆

G Andrew Harrison ☆☆☆☆☆

G James Young ☆☆☆☆☆

F Julius Randle ☆☆☆☆☆

F Marcus Lee ☆☆☆☆☆

F Derek Willis ☆☆☆

C Dakari Johnson ☆☆☆☆☆


五つ星の選手がずらり六人。三つ星でも相当にいい素材のはずですが、これだけ周りが五つ星の超高校級選手で囲まれると三つ星の選手が入学辞退したくなるんじゃないか、とかプレータイムがとれなくてレッドシャツ直行かと変に気を遣ってしまいそうです。

Kentuckyの在校生の事情についても前回記事から変化がありました。NBAドラフト行きが見込まれていたF Alex Poythressがドラフトエントリーを回避、来季もKentuckyでプレーすることを選択しています。冒頭に書いたAaron GordonがKentucky行きではなくArizonaを選択したタイミングはPoythressが残留を発表する一日前だったんですが、内々にKentucky側から奨学金枠が空かないことを伝えられた可能性があったように思われます。もう一枠空いたらKentuckyはWigginsの方にオファーしたいでしょうから。ちなみにAll-American GameではGordonがKentucky勢を退けてMVPに輝いています。


Kentuckyの在校生の方の事情ではC/F Nerlens Noelはまだドラフト入りを決断していない状態ですがさすがにこれは行くんでしょうね。膝の怪我でシーズン後半を棒に振ったものの完治に問題はないとされる怪我ですし、怪我込みでもトップ5での指名は確実(怪我の前ならドラ1確定と言われていた)なだけにプレータイムも十分にとれないであろう来季のKentuckyにまさか戻ってこないとは思いますが。

さてもしNoelが戻ってこないとすれば一枠、Wigginsのために空くのですがそのWiggins。どうも性格的には派手好きではないようで、その性格がどこの学校にうまく嵌るかという話題をAll-American Gameの放送中に盛んに解説陣が議論していました。Wigginsの残る選択肢はKentuckyの他にはNorth Carolina, Kansas, Florida Stateの計四校となっています。Florida Stateが異質に見えると思いますが、なんでもWigginsの以前からの同僚有力選手が既にFlorida Stateへの入学を決めておりそのつながりでFlorida Stateに今オフ最強リクルートのWigginsが行く可能性が残っているのだとされます。

解説陣の議論の受け売りなのですが、Florida StateやNorth Carolinaに行ったらWigginsはいきなり結果を求められることになるだろうと言うのですね。バスケの伝統やハイクラスリクルート獲得の歴史のないFlorida Stateではいきなり最大のスター扱いなのは確実。数字でも高いものが求められるはず。North Carolinaの事情は疎かったのですが解説陣が言うには来季のNorth Carolinaはそのネームバリューに似つかわしくなく才能レベルでは疑問符の付く在校生が多く、Wigginsが行けばバスケ狂大学North Carolinaの全注目を浴びるシーズンになってしまうだろうというのです。Kansasでも同傾向になるとか。しかしもしKentuckyなら他の新人選手たちに混じって注目に晒される圧力は低くなるという大きな利点があるというのです。

昨季のKentucky全米制覇チームからNBAドラフトの1-2で指名されたAnthony DavisとMichael Kidd-Gilchristが当時のチームでシュート機会がそれぞれチーム4位5位だったことを引き合いにして、戦力の厚いチームでプレーすればいきなりスーパースター的な数字を残さなくても許される、それでもプロにも十分評価して貰えるという既に実例があるという点を指摘していました。さらには選手として荒削りな難点部分を見せないでシーズンを過ごせるといった利点も指摘。俺が一番になりたいというタイプの選手では来季のKentuckyの布陣ではなかなか我慢できないはずです。プレータイムも限られであろうし、Alex Poythressまで帰ってくるようでは先発出場すら確定ではない。Davis/Kidd-Gilchristの例を引き合いにされてシュート機会も自制を求められるのが目に見えている。そういう環境を選ぶ選手というのはそれに合った性格でないといけないはずです。Wigginsはその能力の圧倒的な高さ(比較対象とされるのは同年齢時代のLeBron Jamesです。それぐらいの高い期待がかけられている)と地味目の性格があるのでKentuckyでfor the teamをたたき込まれるのに向いた選手なのじゃないか、というのが解説陣(ちなみにJalen RoseとJay Williams、どちらも元McDonald's All-American出場)の意見でした。なるほど。