コメント欄でBaseball Hall of Fame=野球の殿堂入り投票の話を少し書きました。実は殿堂の投票は来年、再来年に大きな盛り上がりが予定されており、その先読みを少ししておこうかと思います。2012年は選手としてはBarry Larkin(Cincinnati Reds, SS)が資格三年目で当選を果たしました。Larkinは今年当選しておいてよかった。なぜなら来年からはまちがいなく殿堂投票の関連報道は荒れるからです。荒れ過ぎて、当選した人が目立たず、落選した人達が話題の中心となるのが予想されるからですね。引退後五年で殿堂入りの投票対象となるわけですが、来年2013年にはステロイド全盛期のスター選手が大量に投票対象として加わります。


Barry Bonds, Roger Clemens, Sammy Sosa, Mike Piazza, Curt Schilling, Craig Biggio, Kenny Lofton, David Wellsと言ったところが有資格一年目となります。数字や現役当時の活躍の印象だけなら文句なしの殿堂クラスの名選手たちも多い来年。しかしながらこのうちの誰一人として殿堂入り当選ライン(得票率75%)を超えることは予想されていません。

ステロイド使用者とみなされた選手への目は厳しいです。ステロイド使用を告白したMark McGwireが今年2012年の得票率でも20%に届きませんでした。McGwireは有資格6年目でしたが、ステロイド告白という新しい展開があったものの前年の2011年の得票とほぼ同じ得票しか確保できず状況打開ならず、この先の上昇の見込みも薄いと見て良い。McGwireへの評価をたたき台とすると、McGwireとMLB史上に名を残すホームラン競争のシーズンを戦った戦友Sammy SosaがMcGwireを大きく超えることはたぶんない(MVP獲得実績の分、上という判断があるかも)。この二人に時代では若干遅れたものの数字や実績では上回ったBarry Bondsへの評価がこの二人をどの程度上回るのかどうかは大いに興味はありますが、殿堂当選に近い数字になることはこちらもまずない。投手の方ではステロイド使用問題で偽証罪等で無罪となったもののイメージが大きく傷ついたClemensも同様でこちらも興味はどのぐらい低い得票になるか、の方でしょう。つまり始まる前からステロイド一色、ネガティブな雰囲気一色の殿堂投票となりそうなのです。


これが2014年になるとGreg MadduxとTom Glavinという一発殿堂入りが期待されるAtlanta Bravesの黄金期の象徴選手が投票対象一年目となるため、2013年のステロイドの話題一色からは解放される見込み。同年にはMike Mussinaも有資格になりますが、こちらはMaddux, Glavinと比較されるのもあって初年度は苦しいはず。二年目以降にどうなるかですがボーダーライン(またはやや下回る)の選手という評価が多い。実際に有資格一年目でどれだけ票が集まるかで将来の可能性も決まっていくのでしょう。

Maddux, Glavinとの比較というとこの前年2013年に有資格なったClemensがこの二人と同等の成績と言える。しかしClemensはクロのイメージ、Maddux, Glavinはそうではないイメージ。でも本当のところ二人がシロであったかどうかはもうわからないわけです。Clemensが2013年に先だってどれほどの得票になるのか、そして翌年本当に予想通りMaddux, Glavinが悠々と当選していったらClemensの心中はいかばかりになるのでしょうね。

ちなみにその後2015年はRandy Johnsonが、2016年はKen Griffy Jr.がそれぞれ有資格一年目一発当選が期待されます。