あらためて眺めてみればこの元旦はアメスポの放送は薄いです。メジャースポーツではNFL、NBA共に試合はひとつも予定されていません。カレッジバスケも全米で僅かに四試合が予定。元旦と言えばカレッジフットボールという伝統のせいでしょうね。カレッジフットボール以外は揃って休業模様。

ところがこの伝統が崩れかかって隙間が生じていました。恒例の新年のカレッジフットボールは六試合が組まれているものの、いわゆる四大ボウルからは二試合だけが元旦開催。全米優勝戦が四大ボウルから独立開催(昨季から)となってシーズン全体のクライマックスが元日から一週間後に大きくずれたのもあり「元旦といえばカレッジフットボール独占」というアメスポカレンダーの常識は薄まった感はかなり強いです。

その隙間が生じていたのをNHLは見逃さなかった、ということになります。よく見ていたNHLの首脳陣は殊勲賞ものでしょう。元々元日というのはクリスマスシーズンの最後のお休みというのが北米的常識で長期休暇の最後、だらりとテレビ観戦には向いた日。その昼下がりに地上波全国放送。NHLが一般スポーツファンへの露出を狙うとすれば絶好の日どりと言えそう。

そこへぶつけてきたのも目立つ試合、アメリカ初のNHL野外開催公式戦開催。NHLの史上動員最高記録、米でのホッケー動員記録更新狙いで収容七万超のNFLスタジアムでの開催です。

持ってきたチームもPittsburgh Penguins。PenguinsにはNHLの次代のスーパースター候補若干二十歳二年目のC Sidney Crosbyがいるわけで、これを全米スポーツファン一般へお披露目しようというわけでしょう。NHLファンにとってはすでにスーパースター扱いなんでしょうがいかんせん一般スポーツファンにはまだまだ名前が浸透しているとは言えないCrosbyをこの試合で露出させようという魂胆でしょう。
NHLのスーパースターの系譜に入ってこようという面構えも男らしいと同時に甘いとも言える絶妙のこの若武者、たぶん放映中のインターミッションでもCrosbyをフィーチャーした映像が流れるんじゃないかな。
アメスポ的に惜しまれる点は、またもカナダ人というところでしょうか?


NHLの野外開催では数年前にカナダで実施されていてこれがこの試合前までのNHLの動員記録。またアメリカ国内ではこれも数年前にMichigan x Michigan Stateの大学ホッケーの試合がフットボールスタジアムで開催されて動員記録を持っています。


で試合自体は開始早々に期待のCrosbyが持ち込んでアシスト→先制点と華々しく始まったものの、その後はBaffaloディフェンスがPenguinsをシャットダウン。雪みぞれと落ちて来るものが次々変わる中の悪コンディションで勝手が違ったか膠着が続きました。特に第二ピリオドはピリオド終盤までPittsの方はShot on goalゼロと完全に劣勢。また選手の安全を重視ということでピリオドの最中にも再三氷上整備が行われて寸断が多く、見てる分には物珍しいもののちょっと間延びが多かったです。最後はOTからシュートアウトへ。

現行のNHLのシュートアウトは三人づつでの勝負。後攻めのPittsburghが三人目のCrosbyが決めて決着と、最後はハイライト向けのフィニッシュ。
大観衆を集めてのシュートアウトはファンの大声援に後押しされての一進一退の展開で、こういう展開になると大観衆がいるとやっぱりしびれますね。

悪コンディションでゲーム自体は選手たちにとっても観衆にとってもベストゲームではなかったであろうものの、やはり特別なゲームという感慨は大きかったですね。NHLではオールスター戦でもさほどの注目を集めないですが、この試合はよかったね。屋内の試合ではあり得ない大花火やパイロの連打、国歌斉唱後に軍ヘリ飛来などオールスター的展開。企画の勝利というところでしょう。

NHLは一昨年、労働争議でシーズンを棒に振っての荒療治。リーグ全体の財政危機を乗り越えてきた訳ですが、この試合でやっとそういった負のイメージ、後退期からの脱却を印象づけられたのかもしれません。視聴率の速報値が楽しみです。