さて日米ともにシーズンが終わったベースボール。メジャーのFA公示も進み予定通りの大物や意外な選手もFA宣言してます。意外なところではNew York YankeesのBernie Williamsですかね。Yankees一筋だった功労者。出場機会が減っている上に来季も外野手/DH余りが予想されるYankeesとあって、たぶんYanksからは引退を打診されたのでしょう。引退よりも出場機会を求めてFA市場に打って出たと見るべき。Bernieのキャリアスタッツで現役にこだわるような数字というとあと13本に迫っている300本塁打あたりでしょうか。DHに空きのあるアメリカンリーグのチームへ加入でしょうね。

DHでホームラン記録を目指すというとなんと言ってもSan Francisco GiantsからFA宣言したBarry Bonds。DHのないナショナルリーグ一筋だったBondsですが去年ステロイド抜きになって怪我の連続。比較的守備負担の少ないレフトでも膝に問題をかかえるBondsにとってはそれでも負担。今シーズンの出場機会・打席数にもかなり影響しました。
運のいいことにステロイド抜きの身体に順応して今シーズン後半にはかなり成績も持ち直したこのタイミングでのFA宣言。Bonds側が契約金額でうるさいことを言わなければ欲しがるアメリカンリーグのチームはそれなりにあるでしょう。
但し以前にも指摘してありますがMLBはBondsがHank Aaronの記録を抜いて歴代ホームラン王になることを望んでいないため、契約して戦力と見なして補強をしていると疑惑再燃でBondsは実際には出場できない事態が発生という(現時点では不透明な)リスクも込みで獲得となります。
ベテランDHでは復活したFrank ThomasもFA出てますからBernie, Bonds, Thomasはチーム有利の買い手市場で早い者勝ちでチームを選びにかかることでしょう。

さてお題の松坂大輔ですが、こちらはご存知の通りFAではなくポスティング。その意味するところは最高入札額のチームが独占的に交渉権を手に入れるということ。松坂がメジャーに行きたくてしかたないのは明らかで交渉権さえ手に入れてしまえば契約自体は実は高騰しないのではないかという疑いが残ります。交渉不調の場合は入札したカネも戻ってくるというシステムであるため取る気のないチームもライバルチームを牽制するために高額入札する可能性がある。
例えば入札で大金継ぎ込むという噂の高いNew York Yankees。ここは松坂獲得に真剣なのは間違いない。問題はライバルであるRed Soxがその補強を意図的に邪魔することが可能であるということ。
Red Soxは資金力もあるもののYanksほどの松坂獲りの熱意はメディアで取りざたされていません。そこで裏を読みたがる私としてはRed Soxは意図的に松坂に関してコメントをしていない可能性を指摘しておきたいわけです。上記の通り入札勝者チームは松坂のメジャー入りに関して独占交渉権を獲得するわけで、もしRed Soxが電撃高額入札を敢行した場合松坂の取りうる道はRed Sox入りか西武に戻るかの二択になります。

松坂本人はメジャーでやるとすでに心に決めていると思われますが、ここで問題なのは代理人。やり手Scott Borasが松坂の代理人となったわけですが、このひとはかなりえげつない契約を球団に持ちかけるひとで今回も早くもかなり高額契約になるぞと花火を上げています。
これ松坂がBorasに意思表示しないと高額契約をごりおしする代理人に振り回されて契約がなかなかまとまらない可能性がありますよ。特に入札勝利でYanksの松坂獲得阻止したRed Soxなんかだと松坂がYanksに行かないだけでも既に十分に意義があるわけで。最悪松坂との交渉が決裂しても入札額も含めて全部カネが戻ってくるし、ライバルNYはまだ先発ピッチャーが足りないまま。
つまりは元々ポスティングはカネの面では選手側に不利なシステムってことです。Borasが得意とする交渉術もこの制度上では発揮しにくい。
個人的には松坂はRed Soxのユニフォームが似合いそうだと思っているんでRed Soxの入札への参入は期待したいところですが。