このフットボールシーズンのTV放送で一番大きな変化はレギュラーシーズンで最大の影響力を持っていたMonday Night Football(MNF)が地上波のABCからケーブル局ESPNに移行したこと。
番組名はそのまま。同系列のABCからESPNへの変更ではあります。ESPNはケーブル局の世界では文句なしの最強チャンネル。がそれでもやはり視聴率の広がりというのを考えると地上波の大看板番組を失ったのはABC/ESPN系列としては痛い面もある。


その代わりとしてABCに登場した新フットボール番組が"Saturday Night Football"。カレッジフットボールを土曜のプライムタイムに持ってきました。
二週目の本日のカードは全米1位と2位の直接対決。昨年の優勝校Texas Longhornsがカレッジ屈指の人気校にして今年の本命Ohio State Buckeyesを迎え撃つ一戦。昨年の初顔合わせだった同カードは最後にTexasが逆転勝ち。その再戦。これ以上のカードは見込めない組み合わせ。卒業生もファンも多い両校でもあり視聴率でも健闘が期待される一戦です。

試合は両チームとも早々にチャンスを掴んだもののOSUはFGミスで先制失敗。四年前の全米制覇のとき以来OSUは初めてダメPK(プレイスキッカー)を抱えたシーズンになりそう。Big TenのプレースタイルからしてPKがダメだと接戦モノにできませんよ。
新人QBを抱えたTexasの方は出だし新人のパスに頼らずオプションランをうまく使って攻め込んだもののゴール前1ヤードでファンブルロスト。

その後OSUがワンドライブでWR Anthony Gonzalezに三本パスを通して先制TD。
Texasのディフェンシブコーディネータは一昨年はAuburnで、昨年はTexasでと二年連続全勝を達成、29連勝している凄腕。QB Troy Smithへの圧力を多方面から仕掛けて止めにかかっているのですが、前半最後のドライブでもGonzalezへの縦方向ランで揺さぶられた挙げ句、最後はWR Ted Ginn Jr.とのone-on-oneで負けて二つ目のTD。シーズン前からTed Ginnの方がOSUのスターWRとして扱われていたのが、Gonzalezに通り過ぎでGinnへのダブルカバーができなかった。得点差は開いていないもののそれ以上の差を感じさせる前半の内容。
ここでTexasの凄腕ディフェンシブコーディネータがどういう変更を後半に持ってくるかが楽しみ。でもただ単に今年のセカンダリがダメな可能性が否定しづらい前半。

ところで先日まで日本でバスケ世界選手権の米代表として行っていたLeBron James (Cleveland Cavaliers)もサイドラインに来てました。彼は高校から直接NBA行っているので大学レベルでは出身校はないですがオハイオ州出身なのでOSUの応援でわざわざテキサスまで来たわけね。
バスケ世界選手権組では先週Dwayne Wade (Miami Heat)がFlorida St.@Miami戦のサイドラインに見に来ていたのは書きました。あのスポーツはここがつまらないとかケチ付けが好きな特定スポーツファンがいますがくだらないと思いますね。おもしろいと思えば見に行って楽しむ。それでいいのに。


結局OSUは後半も順調に得点を重ねての完勝。ここまで完勝だとここまで割れている一位票も相当に集中して増えることでしょう。スピードのあるTexasのLB/DEからの圧力を難なくかわしての勝利は大きい。OSUは全米制覇した年も逆転勝ちハラハラ勝ち競り勝ちの連続だったのもあってここまで強敵に圧勝したのは最近ではあまり記憶にない感じ。

Texasの方はオフェンスにも工夫がないままの完敗。新人QBだというのを割り引いても工夫がなさすぎ。昨年まではVince Youngの個人的能力で相手ディフェンスを掻き回してそれに乗じて相手の裏を突いて勝ってきたんだなあとしみじみ。