Colorado Rapids@DC United。
先日もケチをつけておきましたがMLSの全国放送枠というのはシーズン前に全チームに公平に確定しており、状況を見てカード変更というのがない。そのせいでここまで22試合で僅か二敗で大独走のこのシーズンだというのにDC UnitedがESPN2の全国放送に乗ったのは開幕間もない四月に二回だけ。この土曜日でやっと三回目。
まったく愚策、悪平等ですがMLSの独特の経営スタイルゆえ致し方ない。

この試合なんか見るとDC United、他のチームと違うなあと。こういう試合をもっと放送しなきゃダメなんですよ。
DC Unitedの今年の強さは攻撃パターンの多彩さ。思い切ってサイド深く攻めたかと思うと前1/3に入ったあたりからでもロングシュートどんどん打ってくる。ミドル&ロングシュートも徹底的に指導されているようで弱小国サッカーにありがちな空の彼方へ飛んで行くような無駄なシュートは一切ない。シュートのあとの後詰めがかならず来ているからチャンスが広がる。ボックス周りでのチームワークの効いた切り返しパスも鮮やかだし、MLSにありがちなボックス内で無為なトラップをしてディフェンスに時間を与えることもしない。バックスから前線までボールが渡るまでも早いし、選手がポジションにとらわれない動きとそれを可能にするチームメイトのフォローの的確さ。

いわゆるアメリカサッカーの弱点と言える型にはまったサッカーではない。逆に言えば海外の一流リーグならあたりまえのプレーを当たり前にプレーしているだけとも言えるんだけれど、世界のトップのサッカーでは当たり前のことがアメリカサッカーではまるでできていないことで萎えさせられることがたびたびあるからね。アメリカサッカーの常識レベルからすればとてもよく訓練されたチーム。
こういうプレーがMLS全体に広まれば良いリーグになっていくし、見たひとにああなるほどサッカーとはこうやってプレーするものなのか、と思わせられるようになると思うんですよね。MLSってレベルの低い試合になると延々いったい何がしたくてどこに向かって蹴ってるのかさっぱり分からないという試合があるから。

試合は前半からペースをつかんだDCですが、Coloradoがコーナーから先制。DCディフェンスは決して悪くなかったけれどまあ入るときは入る。後半に入ってもDCらしいプレーが続きチャンスを次々作る。結果は1-1ドロー。