ESPNが放映権料を払ってくれることになった。やっと。
MLS発足から十余年。いままでESPNやABCで放送されたMLSの試合にESPNは一銭たりとも放映権料を支払っていなかったという暗い暗い過去。要はMLSの方がお願いしてESPN系列で放送してもらっていた、他のスポーツファンに知られるだけで恥ずかしい状況からようやく脱却を果たすことになったわけです。

ESPN系との契約は2014年まで。つまりはW杯南ア大会の次の大会の年まで。少なくともあと二回米代表にはアメリカでのサッカーをブレイクさせるチャンスが与えられたと解釈すべきでしょう。その時点まではABC/ESPN連合が国内サッカーをバックアップしてくれるということ。今年からの八年間が長期にわたるアメリカサッカーの将来・命運を決める八年間になるということです。


今回の長期契約、ESPNがMLSの商品価値を認めたというのが一面ではありますが、スポーツ局で二位につけるFOX Sports系にMLSを渡してしまうことを避けるための動きというのも一方の真実でしょう。業界首位は少しでも可能性のあるビジネスを決して二位に手渡さない、とMBAでは必ず説きますからね。基本です。

ドイツW杯の視聴率が米国内で健闘したこともあり、W杯に関しては将来の放映権もESPN系は保持しようとするでしょう。すでに南ア大会までは放映権獲得済み。2014年は未定。W杯の放映権に多額の資金を投資しているだけに、今回以上の視聴率を出すために宣伝は大事。MLSの定時放送というサッカー枠を持つ事はW杯の宣伝にはもってこいであるし、W杯の放映権料に比較したらMLSの放映権料なんてはした金だろうし、MLS放送が伸び悩んだとしてもW杯で盛り返せばそれはそれで経営的にはOKな話。

まあESPN側の事情はどうあれMLSこれでやっと長期の経済的基盤が出来たことになります。少なくともつぶれることはもう心配しなくて良い。
となると選手会側が超低額サラリーキャップの値上げ要求などしてくるのは必至、カネがあったらあったでモメるのがアメスポ。Stay tuned.

定時放送は現行の土曜午後から木曜夜に移行。秋冬だとカレッジフットボールやってる時間帯ですね。週末の試合の宣伝には良い時間枠。

来季はToronto FCだけ増加で13チーム、翌年さらにもう一チーム、2010年までにさらに二チーム参加計16チームへというスケジュール。来季は奇数チームということで木曜の定時放送に出場したチームのひとつは中二日or中三日で週末にもう一試合やるということになるんでしょう。