ところで昨日の話の続きみたいになりますが、USサッカー協会の会長っていうのはコロンビア大の教授なんですよ。経済学。コロンビアはNY市内にあるIvy Leagueの一校。

Sunil Gulatiっていうんですがこのひとの話はなかなか語り口が魅力的でおもしろいんですよね。このひとがもしメジャースポーツの会長とかコミッショナーとかやっていたらかなりの名物会長になっているんじゃないかと。


ところで昨日のそのArena監督契約打ち切り会見の中でこれからのアメリカサッカーの方向性についても教授が語っていたのがなかなかおもしろかった。ヒスパニックと黒人層への浸透というのを打ち出してきました。

現在ヒスパニックと黒人の人口を併せるとざっと米国民の40%強を占めるわけですが、プレーヤーに占める割合でも観客視聴者に占める割合でも40%を大きく下回っていると協会は推定している。そしてその層へのサッカーの浸透がこれからのサッカーの伸びに貢献するだろうという話。
つまりいままで郊外の中流家庭を狙ってサッカーマムを創出、成功してきたサッカーの草の根展開を今度は都市部にも広げようという戦略転換ですね。郊外型普及は成功裡に完了したという宣言ともとってよさそう。

この話聞いて最初にふうん?と思ったのはアメリカで選手に占める黒人/ヒスパニックの割合ってそんなに少ないかなあという疑問。例えば代表で言えば23人選ばれた中だと主力にBeasley, Johnson, Onyewuと目立つところに黒人選手が含まれているから白人度が高いという意識がなかったんですけどね。またヒスパニックというのはどの辺で線引きするかによって人数も変わるし。Carlos Bocanegraあたりをヒスパニックとするか白人とカウントするか、個人的バックグラウンドを知らないと確定的に言いようがないし、知っていても線引き次第。
まあそれでひとりづつチェックしてみると確かに40%にはかなり遠いのは事実のよう。かと言ってホッケーのように圧倒的に白人度が高いわけでもないですが。

視聴者の人種構成は知らないですが、個人的経験では実際にスタジアムに来る観客の白人度は確かに高いか。スタジアムに来るひとの場合は人気そのものより人種間の経済格差の問題があるからあまり普及度の指標としては意味があるか疑問ですが。それよりスタジアム行くと目立つのは女性の多さかな。
まあとにかくアメリカのサッカーの浸透はこれから新段階へ入って行くというお話でした。