いきなりCWSではわかりませんでしょう。College World Seriesの略です。
毎年六月は大学女子ソフトボールと大学男子野球のトーナメントが行われていますがこれの最後の八校による大詰め部分のことをCWSと称しています。
男女共バスケのトーナメントと同様に六十四校でスタート(正確には男子バスケは六十五校ですね)、地区の対戦を勝ち抜いた各校がネブラスカ州Omahaに結集して(女子は別のところ)優勝校を決める部分だけをCWSと呼ぶわけです。
トーナメントの方式は日本には馴染みのないダブルエリミネーション方式(二敗したら脱落)で、形式の中身に立ち入ると長くなるので割愛。


それで夕べ優勝シリーズの最終戦。Oregon State Beavers x North Carolina Tar Heels、1勝1敗の後を受けた第三戦。
これが熱い試合で。カレッジベースボールに興味のなかったひとと一緒に見ていたのですが最後まで楽しめた様子。やはり野球はアメリカ人にはウケがいい。
ホームスチールあり好守あり一昨日の先発エースのリリーフ投入あり昨日五イニング以上投げさせたストッパーの再投入もあり、山あり谷あり笑いありの好試合。最後は3-2でOregon Stateが初優勝を飾ったたわけです。

Oregon Stateはこの優勝シリーズの第一戦に負け、二戦目も四回まで0-5とNorth Carolinaに押され続けたのですが、そこでOregon Stateは自軍のストッパーを投入。四回途中で。この辺の監督やストッパーの気合いが通じたか一気に打線が燃えて逆転勝ち。そのストッパーは結局四回から最後まで投げきったんですがこの辺の特攻投手起用というのは短期決戦では重要ですよね。あらためて痛感。

MLBだとNY YankeesのJoe Torreがチームにカツを入れる短期決戦用投手起用が目立ちますけどあれは思考停止の監督ではできない。MLBプレーオフ見ているとそういう思考停止監督いっぱいいますよね。
ただメジャーのチームのように投手陣が厚くないカレッジでは特攻起用すると次の試合にも響いて行くだけに特攻気分はより盛り上がる。その特攻度合いも激しい。
この優勝シリーズに辿り着くまででもUNCは三戦三勝で投手ローテが楽に回っていたのに対してOregon Stateのほうは優勝シリーズ前にすでに五試合を戦っており投手たちには相当のしわ寄せが行っていた中で最後の特攻回転。最後のアウトまで試合の行方の分からない試合を連投のストッパーが阻止しての初優勝。よかったですね。



以下はカレッジベースボールの概観。
だいたいにおいてカレッジスポーツの世界というのは六大カンファレンスがどのスポーツでも強いもんなんですが、ベースボールに関してはちょっと事情が違ってBig TenとBig Eastはほぼ蚊帳の外。これは気候のせい。
大学野球のシーズンはだいたい二月から始まるのですがそれだと北の方のカンファレンスは寒すぎて実際試合できないんですよ。暖かい南の学校へ対戦に行ったりしてアウェイで開幕しても一ヶ月から一ヶ月半スタートが遅れる。そのようにして出遅れ、星の積み上げができず、at-largeで六十四校に選ばれるチャンスを失うことが多く、従って優良高校生も来ないという悪循環。

というわけで野球ではメジャーカンファレンスはACC, SEC, Big XII, Pac-10の四つ。これにRice, Cal State Fullertonというところまでが大学野球の常連強豪です。Oregon StateはPac-10所属だけれど新顔に近い。Pac-10だとUSCが伝統的に強い。
今年はACCから四校がCWSに行きました。伝統校であるFlorida Stateが出なくて四校というのは相当の厚み。

またカレッジベースボールの視聴率に強い御三家というと文句なしにTexas, Miami-FL, LSUということになっています。この三校がらみのカードは視聴率がはっきり上がるとか。
今年もTexasが全米三位シード評判高かったんですがあえなくリージョナルで敗退。LSUは六十四校にも選ばれず屈辱のシーズン。MiamiだけがまたもOmahaに辿り着きました。