タイトルでわざわざ最終「公開」試合としましたが、ドイツ着いてから報道陣も排除した非公開の練習試合をアンゴラとやるそうです。結局今日までの三連戦、一度も本戦先発決定版みたいなメンバーは組まなかったわけで、非公開試合も含め手の内隠し策でしょうか。

さて本日は欧州でも下位の実力と目されるラトビア相手。先発は前列から

McBride Johnson
O'Brien Donovan Beasley
Mastroeni
Lewis Conrad Pope Chulandolo
Keller

この三連戦の中では本戦先発予想メンバーに最も近く、特にFW/MFはこのまま本戦先発メンバーですと言われてもまあ納得(でも個人的には他のメンバーを臨むけど)のラインアップ。攻撃陣は揃えたのだから、ラトビアとの実力差からして圧倒できるであろうことは確実。それよりもどれぐらい決定力を発揮できるかの方に関心。


始まってみれば予想通りで圧倒的に中盤を支配して七割~八割方米ボール。あまりにボールを保持する時間が長くてバックスがあがりっぱなしでやることがない。ほとんどの時間がラトビア陣内。
なので元々攻めとの絡みを期待されて起用されているであろう両サイドバックのChulandoloやLewisが頻繁に攻撃参加していく。特に右のChulandoloは攻めで何度もフランカー的に上がっていいサービスをゴール前にしていたです。まあ攻撃的ディフェンダとしては十分に怪我欠場した右DF Hejdukの穴を埋めていることになるでしょう。ディフェンスに不安のあるディフェンダというのもなんですが、まあ先発候補のうちでしょうね。

ただこれだけ人数もかけて攻めているのに決定的チャンスがあまり作れない。確かに完全に全員後ろに下がられると実力差があってもそうそうゴールを割れるものではないのは承知していますが、ゴール前1/3での形が見えてこないのが不満。いくつかのシュートがラトビアGKのナイスセーブで止められたのも事実。なかなかいいGKでした。

一昨日のベネズエラ戦だと左右のフランカーが鋭い動きで相手守備を押し広げていたのだけれど、今日のその位置のO'BrienとBeasleyにはそれがない。O'Brienは火曜日のモロッコ戦に続きいいタッチのフィードやパスは出しているんだけど、突破力がないのでフランカーとしては疑問。
Beasleyを右に回したのも特に効果があったように見えない。突破力が落ちたまま。Beasleyに昨年のような切れがないのが目立ってきていますね。初速から相手を出し抜くようなプレーが見当たらない。去年は中盤はDonovanとBeasleyに任せておけば大丈夫ぐらいの信頼感だったんですが。

FW Eddie Johnsonが全部オフサイドにかかったのはいかがなものか。パスを出す側との意思疎通が疑問。先日の試合後首脳陣からJohnson名指しでオフサイドにかかってもいいからもっと積極的に動けと指示が出ていたのは承知しているけど、一本も飛び出しが成功しなかったのではね。これだけボールを支配した試合なので機会を捉えてもらわないと。

Johnsonはフル出場予定だったらしいのですが後半かなりバテていた様子で終盤交代。Johnsonは先にも書いたように首脳陣からカツが入っている状態。若いのにスタミナ不安なのか?
実際、Johnsonが鮮烈代表デビューして得点を重ねていたころはサブで入っての活躍だったのを思い出したりする。先発出場にイエローフラグ立ったかも。(その場合の先発FWには...というような先発予想はまた別にやります)

もう一方のFW Brian McBrideの方はパワフルなヘッドで何回かゴールを脅かし、その内の一本が決まって決勝点。MLSでプレーしていたころに比べて首のスイングが鋭くなったですな。EPLじこみか。ちなみに今月終了したシーズンFulhamでチームのMVPに選ばれてます。すっかり馴染んでいる様子。


65分頃にフィットに不安のあるO'Brienに代わってBobby Conveyを投入。いきなり左エンドが活性化する。この三連戦で最も株を上げたのは文句なしにConvey。O'Brienは確かに他の米代表の選手たちにないタッチを持っているので貴重なのでしょう。が今日の位置で使うのには反対。

あとは守備的MFで走り回ったMastroeniは終盤完全ガス欠。ここは本番ではClaudio Reynaの指定席かと思いますが、怪我がち主将Reynaが潰れた場合に立派にこの位置でがんばってくれるであろうと思えるなかなかの試合だったかと。


総評。なんかTVアナはずっと「アメリカ圧倒的に押している。グッゲーム」と楽観的なことを言ってたんだけど、私個人的見解ではそこまで高く評価できる試合とも思えない。確かに一方的だったけれど、最後の1/3で形ができないのはいかがなものか。CKやFKも単調で工夫がなく(それは手の内隠しの一環か)。押しまくりだったのは二月の日本戦に似ていますが、日本戦のときはもっとシュートを打てた。それに今日は日本戦のときの国内組と違って攻撃陣はほぼフルメンバーなのだし、もっと打てていいのではないのか。
後半には攻め疲れか何度もラトビアにいい形を作られた。もちろんフレンドリーであり一点差を強く意識し続ける事は難しいし、集中力が緩む時間帯もあるだろうけれど、ちょっといい形のカウンターを喰う回数も多かった。70分台にはGK Kasey Kellerがファインセーブしなきゃ同点ゴールという場面も。

試合後はスタジアムの電気をさっさと落として花火をどどどどーっとあげて壮行試合を締めたのでした。代表は金曜日にドイツに向かいます。