MLSの来季2007シーズンのリーグ拡張(エクスパンション)の2チームのうち1チームが決定。事前予想で最有力とされていたToronto。出資はToronto Maple Leafs (NHL), Toronoto Raptors (NBA)と同オーナー。ロゴも発表されていますがなかなかシンプルでかっこいい。赤を基調、後述しますがカナダの国旗の赤なんでしょうね。

おもしろいのは外国人ルールに関しての取り決め。
アメスポでは外国人の所属に関する制限がないものがほとんどですが、MLSは先日も紹介したコスト抑制策の一環としてチームごとの外国人選手数の制限を設けています。
で通常は外国人=アメリカ人以外として扱うわけですが、新生Torontoに関してはカナダ人以外=外国人とすることになったのが新味。
その意味するところはまずTorontoは米国人選手を中心にチームを構成することが不可能であること。逆にカナダ人選手なら無制限に保有できるということ。米加以外の第三国国籍の選手に関しては他のチームと同じ待遇。

つまりTorontoはカナダ代表チームをそっくりそのまま再現することが可能ということなんですよね。なにせカナダ国内には他にMLSチームがないんだから。そうでなくてもカナダの若い選手により高いレベルでのプレーの機会が与えられることになり、代表チームの強化にもなる。MLSの設立時のひとつの目的であった国内プレーヤー(=米を念頭)の育成の場を提供というポリシーがカナダの地でこういう形で機能するとすればそれはいいことのように思います。

カナダサッカー協会のカナダ代表プールを見てみると現在のカナダ代表レベルの選手たちはUSL(アメリカの二部リーグ)に所属するカナダのチームに若干名所属、あとは欧州各国に散らばっている感じ。EPLのチームの名前もちらほら見えますね。
MLS所属ではHouston DynamoストライカーのDwayne De Rosario。De Rosarioはこの4月に始まったMLSシーズンで5試合に登場、3得点4アシストと米代表に選出されたFW Brian Chingに次ぐHoustonの得点の核になっており、Chingが今週からすでに米代表キャンプに合流しているため今週末からW杯終了までHoustonのエース代行が期待される立場の選手。Torontoとしては来年開幕時点のメインキャラとしてぜひ欲しい選手でしょう。
Houston DynamoにはAdrian Seriouxという攻撃的なベテランディフェンスマンも所属。
最終的に初の米国外MLSチームがどんな陣容になるのか興味のあるところです。


チーム名はToronto FCで確定した模様。少し前は次のうちからファン投票も加味して決定するという話だったんですが。Toronto Nationals, Inter Toronto FC, Toronto Reds, Toronto FC or the Toronto Northmen.
Interってパクるのはもう既にReal Salt Lakeで使われたネタだし止めとけという感じ。上記のカナダ代表を集められるという利点を強調、オールカナダ的な味付けを求めればNationalsか。Toronto FCというのもシンプルでいいとは思いますが。
チームにかならずニックネームがついているというのはアメスポの文化だったわけですが、非アメスポな独自の文化を地道に進もうというMLSですしニックネームはなくてもいいように思います。