Freddy Aduがついに米国代表に召集される見込みです。W杯本戦の話ではなく。

二月の対日本のフレンドリーが16歳の天才Freddy Aduの米国代表デビュー戦になりそう。U-17, U-20ではすでに米代表としてプレーしているものの本代表ではいまだプレー経験なし。召集されたこともありません。

Aduは生地はガーナ。そう米国と同じE組のガーナ。ここへきてガーナの代表監督がAduのガーナ代表としての召集を表明してからきな臭くなってきました。

米側からみればタイミングはかなり悪い。
今年9月に3試合を残して早々に最終予選突破、W杯本戦進出決定。その後の消化試合にすら米代表Arena監督はAduを召集せず、Aduは代表へ召集されないことに不満を表明していたところ。さまざまな選手をMLSから召集した消化試合にもAduを召集しなかったということは、アメリカサッカー協会はAduを2006に使う意志がほとんどなかったということでしょう。

そこへW杯本戦で同組と決まったガーナがAdu引き抜きに来たという事態。ただでさえ強豪が集まったE組でこれ以上相手チームが強化されるのは阻止したいところでもあるし、これでAduがガーナ代表として目立った活躍でもすればUSサッカー協会面目丸つぶれということになります。


アメリカサッカーではDaMarcus Beasleyぐらいしか類するもののない華麗なボールハンドリングを見せるAdu、米代表としても2006はともかく2010では中核選手にという腹づもりであったのは間違いなく、ガーナの横やりはかなりめんどうなものです。
たしかに体格的にはまだ発展途上で、MLSでの試合などみてもフィジカルな当たりには強いとは言えない。ただしボールさばきのセンスは他の選手にないものを持っているのも明か。
他方、米国代表は最終予選やフレンドリーを通じてチームとしてかなり固まっているという事情もあり、この時点でAduを入れていじるのか、というのはなかなか難しい判断になります。


ただAdu個人にはマーケティングチームがついているはずです。商品としてのAduの価値を高めるのがマーケティングチームの仕事。将来コマーシャルに出てなんぼなどなどスーパースターに仕立てるつもりでチームもマーケティングしているはずでここは米代表になるのがもちろん最善。

普通にそのチームが考えればここで「米国の敵」になるのを積極的に目指すことは考えにくいです。特に別の組ならともかく米国に立ちはだかる形になる同組のガーナ代表となれば敵のイメージになってしまう。

が、それでもW杯に出場できないよりはいいという判断もありえないとは言えない。ゼロではない。米代表では、最終メンバー入ったところで先発まで望むのはかなり高いハードルだと思われるから。
それに対してこの綱引きで劣勢のガーナの方はまちがいなくAduに先発メンバー確定を条件提示することでしょう。17歳の新星としてW杯先発、世界的な注目度を高めることができるならサッカー不人気の米国市場で多少マイナスでもかまわないというマーケティングもあり得るでしょう。
それに同組で米国との直接対決が確定しているので米国市場に対する露出も確保できる。ただし三戦目なので試合として無意味な試合になっている確率もありますが。


いずれにせよ2月の日本戦はAduにとっては初の米国代表としての試合、早くも大一番のオーディションということになりそうです。