アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

バスケ世界選手権メンバー発表

良いメンバー揃えたなというのが第一印象。ネームバリューではまだ全国区とは言えない若い選手たちをたっぷり目に揃えたこの十五名。この辺の選び方からしてCoach K (Mike Krzyzewskiのニックネーム)の手腕の一端ということでしょうか。

Coach Kはカレッジバスケファンにとっては文句なしの有名人/最優秀カレッジコーチ。常勝Dukeを主力メンバーが抜けて力の落ちる年ですら最激戦区ACCで成績を落ち込ませることなく常に一定以上勝たせるその手腕と、選手たちから受けるリスペクトの高さで最も敬愛されているカレッジコーチのひとりと言って差し支えない。

TV側の売り方としてはKing James, Dwyane Wade, Carmelo Anthonyの同期三人のスター選手を前面に出した売り方をするでしょうが、実際のチーム構成ではこの三人は同時にコートに立たない(まあ相手チームとのマッチアップの関係上ないとは言い切れないけど)わけで、実際のキモはElton Brand, Shane Battierといったかつての教え子も含めたフロントラインの方の頑張りにかかってくるように見えます。

世界相手の試合というのはNBAよりも相手3ポインター阻止に比重がかかるからとかく運動量がおちるベテランではミスマッチになる場合が多い。その辺を考えたしっかり動けるフロントコートを選んできたようです。
Brand, BattierあたりはWBC時のIchiro選手の台詞じゃないですが、恩師Coach Kに恥をかかせる訳にはいかないと燃えてくれるように思えます。前回のオリンピックの惨敗を受けての今回ですしね。

特にBattierはスタッツ以外の部分でチームを引っ張る役目に最適のリーダー。Duke時代もチームのまとめ役で男を挙げ、Coach Kの絶大な支持を受けた選手。コート外でも立派な人物と評判。NBA引退後は米国会議員を目指すのではとDuke在学中から言われていた選手ですね。NBAでは数字的には埋もれちゃうような中庸な数字ですがMemphisの昨シーズンの躍進に大きく貢献したこともあって、堂々Coach Kの指名を勝ち取りました。あまり成績がふるわないといくらリーダーとしてCoach Kが欲しくても身びいきだと言われちゃうから。

看板トリオとなるJames/Anthony/Wadeは前回2004年のアテネオリンピックでも米代表だったわけだけど、当時は三人ともまだ駆け出しで、またコーチ陣も彼らに信頼を置いた役目を与えられず惨敗(まあそれでも三位銅メダル)。
今回は若手中心のメンバー構成だし、三人ともNBAで箔をつけて文句なしのスター、中心選手としての再挑戦になります。こちらも今度こその意気込みがあることでしょう。

今回の代表はアテネオリンピックのときとちがって入念に練習期間もとっている。あのときのベテラン(Tim Duncan, Allen Iverson, Stephon Marbury)は自分の得意とするタイプのプレーしかできない器用とは言い難い選手たちだったし、試合の中でのリーダーとしては向かない選手たち。Duncanは外国人だし(いまは米国籍かな)、AIは言葉でひっぱれるタイプじゃないし。それになにより純正のポイントガードがひとりもいないという考えられないようなひどいチーム構成でAIにポイントガードを押し付けて負担をかけるばかりになってしまった。

作戦面ではNBA以上に対戦相手の戦術に幅のあるカレッジでそのすべてに対応してきた名将Coach Kがついてしっかりキャンプをこなしていることもありさすがに今年は勝つんじゃないですかね。

私はラリーストだった

昨日の記事にコメントいただくまで自分でも忘れていたんですが、実は私、アメリカでラリー出走したことがあるんですよね~。渡米してまだ浅い頃、知り合いだった在米の長い日本人の方が、出場したいんだけどナビがいないから是非にと請われて何度か。
私のようなど素人を仕立てて出走するようなラリーですからもちろん草レースに近いエントリーレベルのものだったんですが、一応一度は六位だったか八位だったかの小さい盾ももらった。家の中探したらまだどっかにあるのかもしれない。捨てた記憶はない。

だからカーラリーがアメリカで存在しているのはもちろん知っていました。前回「モータースポーツとしてまったく存在感なく」と書いたのは見せるスポーツ、視聴率を取れるスポーツ、ビジネスとして成立するスポーツという意味で存在が見えないという話ですね。TVが200チャンネルレベルまで多チャンネル化しているのにそれでもTVに乗らないというのはやはり見せるコンテンツとしてキツいのでしょう。そしてやっている人だけを対象にするにしてもマーケットが狭いんでしょうね。

それなのに敢えてX Gamesがわざわざラリーを拡張新種目として選んだ。ということはどういう方法でかTVでの見せ方に自信があるということと取って良い。コメントで戴いたような伝統的なラリーとは違った見せ方・切り口で放送されるのかなと思うと楽しみ。またラリー出てみたくなるようなものだといいなあと。

夏のアメスポスケジュール

伝統的には夏は野球の独壇場だった。他のプロスポーツは野球シーズンを避けていたようなものだったのが、いまやアメスポの事情はまったく逆。秋冬のフットボール、バスケットボールこそがアメスポビジネスの中心。もうこれはひとえにTVのなせるわざ。入場料収入よりも放映権収入がチーム/リーグの主たる収入源となったことですべてが逆転してしまったんですね。ま、その辺の考察はまた別にやります。


夏場のアメスポというとなにを置いても野球。一応裏ではサッカーもやってるわけですが(MLS始めマイナーリーグも含めてアメリカでは夏にサッカー)野球の底堅さはやはり立派なもの。毎日試合をやっているせいでイベント性がないけれど。
MLBやマイナーリーグもそうですが、夏の後半になるとLittle League World Seriesという少年野球のトーナメントがあってこの時期はこれが人気番組。子供たちの夏休み期間中に予選が進んで、夏休み終わりの時期にESPNで全米放映されながらフィナーレという手順なのでこの時期なんですが、ああいうの見てるといいなあと思いますね。少年野球に夢があるというか。前も書いた気がしますがLLWSは米国内だけでなく、日本やロシアやカリブの少年チームもやってくるのでバラエティもあって楽しい。MLBの北米チーム限定の「World Series」なんかよりもよほどWorld Seriesの名に相応しいイベントです。

夏休み関連ではX Gamesもその類い。子供年齢の選手の割合が多い、ファン層も大学生年齢あたりがかなり大きいから夏でないと大々的にひとを集められない。もちろん夏場に放送できるコンテンツが少ないからという理由でESPNが作ったイベントですからこの時期の放送。八月第一週。
冬期イベントのWinter X Gamesの方は選手がオリンピックに進出したりしてX Games以外でも露出していますが、夏の方はオリンピック種目はなくこのX Gamesこそが最大のステージ。
今年からX Gamesにカーラリーが登場するのが地味ながら個人的に気になっているところ。アメリカではカーラリーはモータースポーツとしてまったく存在感なく、日本では人気のWRCもモータースポーツ専門チャンネルが未明に放送するだけで誰も知らない存在と言っていい。他の見た目からして派手なイベントが目白押しのX Gamesだけに昔ながらの普通のカーラリーがそれほどウケるとも思えない(特にX Gamesに注目するようなファン層には)ですが、いままでほとんどどこもフォローしていないジャンルではあるだけにどうなるか今後が楽しみではあります。


野球以外ではテニスの全米オープンが一番一般には注目度が高いスポーツイベントということになるんでしょうね。テニスの人気が強いというよりはやはりアメリカ開催という部分が重要。昨今はアメリカ人のスター選手が足りてないようで視聴率的にいまいちですが、それでもメディアのカバーは全英全仏に比較して遥かに厚い。
テニスツアーは過密スケジュール/過労がいま一番のトピック。選手たちの言い分もわかりますね。トップクラスのスターで一度も離脱を経験したことのない選手の方が少ないのじゃないかな。あれだけ激しいスポーツであの過密日程はしんどい。ゴルフじゃないんだから。

あと今年はバスケの世界大会がありますからちょっとそれで埋められますが、だいたいこんな感じでアメスポの夏は進みます。

DC Unitedの大独走 でもあまり役に立たない

まさに独走という状態。シーズンも半ばを過ぎたというのにいまだ一敗しかしていない。MLSではDC Unitedの大独走が続いています。順位表

本日現在で13勝1敗5分の44ポイント。MLS全体でそれに続くのは西地区のトップFC Dallasが10勝5敗3分の33ポイント。東地区に限れば20ポイント差つけてすでにレギュラーシーズンはニア終戦状態。

これだけ独走してもレギュラーシーズン終了して待っているのは、シーズンも2/3になろうかという時期になってもまだ4勝しか挙げていないNew York Red Bullsとのプレーオフ一回戦... 他国のリーグと比較すると不憫になりますね。年間優勝まではまだ遠い。
まあアメスポにおいてはプレーオフこそが本番というスポーツ文化にすでになっているだけに致し方ないものの。


DC UnitedはMLS史上では文句なしに最も優秀な成績を残しているチームですが、今年のチームもなかなか魅力的。
ベテランFW Jaime Moreno (彼はボリビア人だから名前の発音は「ハイミ」)を筆頭に、例のRed Bull吐き出し事件のFW Alecko Eskandarian、アルゼンチンから来たMF Christian Gomezの三人が絶妙のバランスで得点機会を創出。
そこに十七歳になったばかりの天才少年MF Freddy Aduも先発に完全定着、チームトップタイのアシストを記録している。
W杯期間はMF Ben Olsenを代表に送り出したんだけどまったく無問題。点も入るし失点も段違いに少ない。ベテラン若手かみ合って死角なし状態。

なんだけど結局はNew York Red Bullsとの一回戦へ直行ってだけなんだよね。やれやれ。

再来週にはプレミアリーグのChelseaを迎えてのオールスター戦です。

ESPY2006

ESPYというのはアメリカナンバーワンのスポーツ専門局ESPNが制定するスポーツ大賞みたいなもの。アカデミー賞やオスカーのスポーツ版という方が的確か。今年で十一年目、すでにこの時期の特番として定着してます。日曜日放送でした。

この特番、視聴率はしれているんですが、それ以外の部分での効果はなかなかに絶大のようす。
だいたいアメリカ人ってこの手のレッドカーペットにリムジンで乗り付けてフラッシュを浴びまくるゴージャスなディナーというヤツに憧れるらしくて、アカデミー賞など大物賞以外でもハリウッドではしょっちゅうやっている。セレブな気分にひたれて芸能雑誌の格好のネタでというわけで所謂アメリカの芸能スターにとっては本業(映画なりコンサートなりTVなり)よりもレッドカーペット登場の方が重要な露出といった趣きすらある。

そこへいくと確かにスポーツ選手ってESPY以前はそういうセレブ気分の味わえる機会って少なかったかもしれない。本当の意味のスポーツスーパースターで、さらに華のある選手ならプレゼンターとかで既存の賞に呼ばれることもあったでしょうが(例:Michael Jordan, Kobe Bryant、Williams姉妹、Tiger Woodsなど)ほとんどの選手たちにとってはレッドカーペットはまったく縁がなかった。


とまあそんなこんなのアメリカの状況があって、でもESPYが始まった頃から、見る側からしてはくだらない番組だと思っていたんですが、業界的効果は高いようで定着していったわけですね。

ESPNからすればこういうきらびやかな舞台を提供することで得られるものは多い。まずはアスリートや引退した選手たち、さらに各スポーツ経営者とのコネ作り・囲い込み。
スポーツ番組の最大手&総合商社としてスポーツ各界のおいしい選手たちと会社のトップとのコネ作りが将来の解説者オーディションにもなっているというのが一面。各スポーツのトップと良好な関係を築く事で将来の放映権契約の面での優位も確保。対抗他社はゲンナマ一本で勝負するところへ、ESPN陣営は最大手というだけでなくセレブ気分のオマケ付き
というわけです。カネだけならFOXも出せなくもないんでしょうが、こういうESPY的なものに対抗するのはなかなかに大変。

また選手たちだけでなく、自社のスポーツ解説陣なども呼んでこのゴージャスなパーティでいい気分にさせるのがウケるらしいんですよね。解説陣の取り合い契約などで業界二位のFOX Sportsといろいろ争いがあるんですが、そこでも交渉材料特典としてこういう他社に真似のできないセレブなムード演出でといった具合。

この時期は野球を除けばほとんどのスポーツにとってのオフシーズン。野球は全国放送しても視聴率的に強いコンテンツとはいえず、実際ESPNも週二~三試合程度の放送。この時期シーズン中なのはMLBとMLS、あとはビーチバレー、テニス、ゴルフ、モータースポーツ。どれも視聴率的には強くないものばかり(ゴルフは強いけどこれは地上波が週末の放映権抑えている)。つまりはこの時期ESPNとしても放送すべきメジャースポーツがないのです。
そして視聴率の稼げるスポーツが少ないこの時期に特番を提供できる。比較対象が全国放送で弱いMLBでしかないからESPYは視聴率的にはそこそこで十分。だからESPYは見せる番組じゃなくて中の人のための番組なんですよね。


まあそんなこんなで最大手だからできる強みを生かしたなかなか業界トップの経営戦術的にはおもしろい番組です。ただ実際に受賞する面々っていうのは実に退屈なメンバーが並びますね。毎年ですけど。正直見てるのは辛いです。

コロンビア大の教授の講義1

ところで昨日の話の続きみたいになりますが、USサッカー協会の会長っていうのはコロンビア大の教授なんですよ。経済学。コロンビアはNY市内にあるIvy Leagueの一校。

Sunil Gulatiっていうんですがこのひとの話はなかなか語り口が魅力的でおもしろいんですよね。このひとがもしメジャースポーツの会長とかコミッショナーとかやっていたらかなりの名物会長になっているんじゃないかと。


ところで昨日のそのArena監督契約打ち切り会見の中でこれからのアメリカサッカーの方向性についても教授が語っていたのがなかなかおもしろかった。ヒスパニックと黒人層への浸透というのを打ち出してきました。

現在ヒスパニックと黒人の人口を併せるとざっと米国民の40%強を占めるわけですが、プレーヤーに占める割合でも観客視聴者に占める割合でも40%を大きく下回っていると協会は推定している。そしてその層へのサッカーの浸透がこれからのサッカーの伸びに貢献するだろうという話。
つまりいままで郊外の中流家庭を狙ってサッカーマムを創出、成功してきたサッカーの草の根展開を今度は都市部にも広げようという戦略転換ですね。郊外型普及は成功裡に完了したという宣言ともとってよさそう。

この話聞いて最初にふうん?と思ったのはアメリカで選手に占める黒人/ヒスパニックの割合ってそんなに少ないかなあという疑問。例えば代表で言えば23人選ばれた中だと主力にBeasley, Johnson, Onyewuと目立つところに黒人選手が含まれているから白人度が高いという意識がなかったんですけどね。またヒスパニックというのはどの辺で線引きするかによって人数も変わるし。Carlos Bocanegraあたりをヒスパニックとするか白人とカウントするか、個人的バックグラウンドを知らないと確定的に言いようがないし、知っていても線引き次第。
まあそれでひとりづつチェックしてみると確かに40%にはかなり遠いのは事実のよう。かと言ってホッケーのように圧倒的に白人度が高いわけでもないですが。

視聴者の人種構成は知らないですが、個人的経験では実際にスタジアムに来る観客の白人度は確かに高いか。スタジアムに来るひとの場合は人気そのものより人種間の経済格差の問題があるからあまり普及度の指標としては意味があるか疑問ですが。それよりスタジアム行くと目立つのは女性の多さかな。
まあとにかくアメリカのサッカーの浸透はこれから新段階へ入って行くというお話でした。
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