今、欧州の強豪クラブがプレシーズンマッチ巡業でアメリカ各地で試合をしています。一応数年前からはただの親善試合の巡業というだけでなく、なにがしかのトーナメントの体裁をとって興味を盛り上げようとしています。今年は欧州クラブ8チームが参加したGuinness International Champions Cupという形を取っています。選手交替も9人までだったか可能で、実際にもハーフタイムで大量に選手を入れ替えるチームが多く、本当の意味での真剣勝負の大会ではないのは明白ですが、それでも毎年うまく各地を巡業して海外サッカーファンをスタジアムに動員するのに成功しています。放映はESPN系とFOX系の両方で。アメスポ夏枯れのこの時期にうまくはまって週末の午後の番組として中継されています。
目立つのは昨季クラブ史上の汚点シーズンを過ごしたManchester Unitedが心機一転をアピールする意欲満点なのか前半から次々とゴールを叩き込み、なにやらやる気満々ぶりなところが目に付きます。Man Uはこの後、Real Madridとの試合が予定されており、場所はMichigan Stadium。サッカーが行われるのは珍しい会場です。通称The Big House、収容109,901人の全米最大(レース場除)。同地はMichigan大のカレッジタウンでこの時期は学生もいないことで閑散としているはずですが、この会場をわざわざ選んだのはたぶんアメリカサッカー史上最高動員試合記録の更新狙いであろうと考えられます。これまでの記録はカリフォルニア州Rose Bowlでの2009年FC Barcelona@Los Angeles Galaxy戦の93,137人。これを超えてサッカー人気の上昇を一般スポーツファンにアピールしたいんだろうと思われます。
ところで動員というと今回の8クラブのうち最もネームバリューの落ちるOlympiacos(ギリシャ)がAC Millanと対戦した試合は動員僅か1万人と惨敗。MLS Toronto FCのホームである小会場なのにその半分も埋められないことに。Toronto FCの平均動員はほぼMLSの平均動員に等しい18,000人強なのでそれにも大きく及びません。木曜日の開催、アメリカではなくカナダでの試合ですが、いつも指摘している通り平日になるといきなりサッカーの動員は苦しいというのを再び証明してしまったことになります。
ところで今季のプレシーズンの巡業でいくつかの試合で水分補給休憩を採用していました。この休憩は先日のW杯でも採用になっていて当ブログでも少しとりあげています。この真夏の上にTVの都合上午後2時試合開始とかやっているし、そもそもが勝負にこだわらないプレシーズンマッチですから休憩の是非はさしたる問題ではないんですが、気になったのはそこにTVコマーシャルが入らなかったことです。南米国内リーグでも入ると聞いています。ところが段取り悪く、事前に休憩の有無の調整がいっていなかったようでCMが入らずなにやらどうでもいいことをぐだぐだしゃべって過ごしていたのがどうかな、と。ただでさえCMのはさみ方はサッカー中継の問題点の一つなのにもったいないなあと思いました。