アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

第2RBを見つけたEagles

で正真正銘のMonday Night Footballの方です。Philadelphia Eagles@Indianapolis Colts。Eaglesが華麗な(と表現してみます)逆転劇で30-27で開幕二連勝。開幕戦は0-17、今日は6-20と2TDビハインドに陥りながら後半鮮やかに盛り返して結果は二試合ともに30点超。

この日の最大の収穫はわざわざトレードで獲ったDarren Sprolesが第2RBとして大活躍したこと。Kansas State時代Little Tankのニックネームで、とにかく対人、ファーストコンタクト後に強かった選手ですが31歳となったいままたこういう姿が見られたのはなかなか感慨があります。Eaglesのオフシーズンのメンバー変更というと例のトップWR DeSean Jacksonの放出でのダメージが目立ってWR陣の整備の話題が多く、Sprolesの加入は静かに行われた感がありました。が、そのSprolesがRB位置からのスクリーンパスから持ち前の対人の強さを発揮。Eaglesのオフェンスラインの選手たちがプレーデザイン通りなんでしょう、Sprolesの前をブロックして隙間を提供するとそこで相手のライン・LBをはねのけて(ときには自軍のブロッカーを押しのけて)5feet6=167cmのSprolesが突破していくのは、あーこんなシーン昔見たな〜となつかしさとともに快感。Coltsも粘ったんですが同点で2mins残しのEaglesの最終ドライブは順調そのもので新人Kが決勝FGを二度(一度目はタイムアウト)ともど真ん中に決めてきれいに勝利。前半の不振はなんだったんだというぐらいの順調ドライブでした。

不動のエースRB LeSean McCoyは昨季の活躍でNFLを代表するRBになったと思いますが、その後ろに控える二番手にSprolesがうまくChip Kellyの注文に嵌ったのは大きいかもしれません(来週以降同じ手が簡単に通用するほど甘くはないとも思いますが)。昨年McCoyのラン一辺倒だったEaglesオフェンスはMcCoyがつぶれたらどうなるんだ?という疑問を抱かせたのは確か。McCoy依存度をこれで下げられるならば大変結構ということになると思います。

Monday Night Soccer

Monday Night Football(MNF)は秋冬の定番かつ最大のスポーツ定時番組ですが、その裏でMonday Night Soccerという番組があります。beINで放送。beINというのは中東アルジャジーラが経営する欧州スポーツチャンネルです。わざわざ「欧州スポーツ」とことわったのは、以前はほぼサッカーのみに特化していたのが最近はラグビーのAviva PremiershipやPRO12の放送を増やしているのでそう表現しました。他にもいまだと男子バレーボール世界選手権もやってます。ラグビー放送が増えたのは私にとってはとてもありがたく、beINにチャンネルを合わせる機会が増えてます。

Monday Night Soccerという番組名はおもしろいんじゃないでしょうか。機会があるごとに「世界ではサッカーじゃなくてフットボール」だと言う海外出身サッカーファンを多く抱えるアメリカで、MNFの裏でわざわざサッカーと銘打った番組を展開するっていうのはおもしろいと思うんですがどうでしょう。

内容は二時間番組でその週末のうちから四試合を選んでダイジェストで放送するというもの。ざっと一試合当たり30分を使って放送+解説するわけでニュースのハイライト番組なんかと違って試合の流れがわかる形で見せてくれるし、テクノロジーでバックラインやパスルートを見やすくした解説部分も効率的にまとまっていて宜しいです。以前から他のスポーツでも書いてきましたがハイライトとダイジェストは全然違う。特にサッカーやホッケーはゴールシーンだけ見せられても全然おもしろくもないし、試合の良さスポーツの良さを反映しません。ホッケーは以前から人気チームは全試合の30分に再編成したダイジェスト番組を翌日に地元で流していました(そして我が家のように追加料金を払えば各地のそれは見られます)し、NHL Networkがリアルタイムで各地の試合を毎夜流すというのもあってホッケー視聴欲はかなり満たされる状況ができていました。サッカーはというとこの面で弱かった。放映権関係が複雑なのもあって同様の番組を提供するのは難しかったわけです。それがサッカー専門チャンネルだったFOX Soccerが昨年廃局。EPLはNBC系に放映権がいきましたが他の有力リーグはbeINが放映できる体制となりこういう番組が成立することになったようです。

その名の通り月曜夜、夜10時からの放送でMNFの後半戦と重なってしまうのですが、日曜日よりは見やすいと思います。秋からのアメリカの週末は放送も報道も完全にフットボール一色ですからね。それにしてもこの10年で本当にアメリカでのサッカーは見やすく変わったと思います。どれほどの人が見るかというとbeINを視聴できる家庭数は限られるしまだまだマイナーでしょうが見たい人にとっては視聴環境は過去ないほどよくなっているのは間違いありません。

またケガでRG3退場 Cousins残しておいて良かったね

NFL第二週、いろいろおもしろい試合があって楽しめました。表題の件ですがWashington Redskinsの正QB Robert Griffin IIIが足首の脱臼で退場。それを埋めたバックアップQB Kirk Cousinsがまたも好救援でRedskinsは快勝。オフシーズンにCousinsをトレードで出すとかいう話もありましたが出さなくてよかったねーという試合となりました。過去に何度もCousinsは救援役をこなしているのもあって安心して見ていられました。

カレッジで大流行となったモバイルQBたちがカレッジからプロに移行した時期に「NFLではああいうプレースタイルではケガでシーズン完走できないからポケットパサーの方がいいのだ」という批判がありました。RGIIIを含めモバイルQBは増えましたが実際のところどうでしょう。RGIIIはまた欠場となったわけです。彼は今年で三年目。昨年に続いての欠場が見込まれます。精査は明日月曜日ですが足首の脱臼は多くの場合亀裂骨折も伴うとされリハビリも含めると少なくとも二ヶ月以上の欠場が見込まれそう。で、RGIIIのケースがモバイルQBは壊れやすいからダメだという話に一般化できるのかどうかが気になります。それ以外でも現在進行形では例えばPanthersのCam Newtonもあばらを折っていまも腹部に防具をつけていますね。

それで思ったのですがカレッジの選手というのは人生のうちでも素の運動能力はピークなのでケガをしないのが、プロになると本人が自覚しなくても運動能力や身体の柔軟性などは落ちている可能性がありそれゆえケガしやすいという可能性を少し考えました。今週だとカレッジではNo. 2 OregonのQB Marcus Mariotaが5ヤードぐらいのダイビングTDを決めていたりしますがケガなし。プレー後HCから「今後は絶対やるな」と念を押されたそうですが。それ以外でもカレッジのモバイルQBが壊れたというケースはあまり多くないような。

まとまりのない記事でスミマセン。

意外にもアップセット多発

ランク校で敗戦した学校がかなりでました。上からNo. 6 Georgia (SEC)、No. 9 USC (Pac-12)、No. 17 Virgina Tech (ACC)、No. 21 Louisville (ACC)。No. 12 UCLAが逆転勝ちでTexasを下してアップセットを免れた試合もあり、カードは豪華さのない今週でしたがそれなりに盛り上がったというところか。

あと目立ったのは先週に続いて今週もBig Tenが冴えないこと。先週Virginia Techに苦杯を喫したNo. 22 Ohio StateはKent Stateを相手に大勝しましたが、Purdue、Indiana、Iowa、新参Maryland、Minnesota、Illinoisと負けまくり。負けたのはBig Tenの下位校だからどうでもいいと言えるほどBig Tenにはイメージ的な余裕はないです。唯一無傷なのはPenn Stateだけですが、そのPenn StateもRutgers相手にイマイチな逆転勝利。

West Virgina x Marylandの一戦は点の取り合いから最後FG決着でBig TenのMarylandの敗戦。ほぼ互角だったのに結局Big Tenが負けるのかぁとなにやら象徴的。これがSECだと行方のわからない試合や拙い試合でも結局勝ってしまう感じがあります。今週Virginia Techを仕留めたEast Carolinaは先週はSECのSouth Carolinaを取り逃がしてます。

唯一のランク校同士の試合となったGeorgia@South Carolinaは両チームのセカンダリがボロボロでレシーバーがオープンになる場面があまりにも多すぎでしょう。一体何をやってんだという。Georgiaの方はWRがケガで3人欠けていて戦力不足。そして主戦RB Todd Gurleyが後半戦早い段階からスタミナ切れを起こしてラン攻撃でも戦力ダウン。対するSouth Carolinaは相手ディフェンスをパスでズタズタにして、その後はオフタックルのランに切り替えてもそっちでもディフェンスをボコボコにしてしまいました。一体Georgia、この弱さは何なんだという。Georgiaというのは以前にも書いたことがありますが毎年こういう全然ダメな試合と、ものすごく強く見える試合をやってしまうところがあります。あれはなぜなんでしょうか。毎年ですから。

夜の部はUCLA x Texas戦。この試合、接戦なのにあんまりおもしろくないなあと思いつつ見ていたんですが、終盤になっていきなり試合が動いてUCLAの逆転勝ち。Texasが勝ち越した直後のキックオフリターンでビッグゲイン。直後の最初のプレーでTDパスで一発逆転。UCLAのQBはバックアップのレッドシャツ二年生Jerry Neuheisel。Neuheiselという名でカレッジファンはすぐに反応されると思います。ColoradoやWashingtonでHCを勤めたRick Neuheiselの息子です。そう紹介されなくても顔だけ見て絶対に血のつながりがあることがわかるぐらいよく似てます。

USCがBoston Collegeに敗戦した試合は最終盤のみしか見ていないので内容は語れませんが、Pac-12のトップ10校をACC校が破ったのはACCにとっては大きな一勝か。あとはSECの下位常連のKentuckyが敵地でFloridaを苦しめて延長戦で力尽きたのが良かったです。Kentuckyが良くなったのとともに、低迷期に入り込んだFlorida Gatorsが今年もまた苦しみそう、HCのクビが早々に飛びそうな両校のSEC初戦となりました。

MLSがニッチ狙いに行ったのは良いこと

普段あまり書きませんがMLSの試合はそこそこの頻度で見ています。昨夜金曜夜はReal Salt Lake @ Seattle Soundersを観戦。エンタメ度の高い試合でまたもSoundersの終盤力が炸裂、ロスタイムに決勝ゴールを決めて3-2で地元Soundersが勝利。西カンファレンスの首位の座をキープしています。あいかわらずSoundersのツートップClint Dempseyと元ナイジェリア代表主将Obafemi Martinsの息の合いぶりはMLSで未曾有のレベルで再三ゴールを脅かしています。対するReal Salt Lakeは歴史的にMLSの戦術レベルを引き上げてくれた功労のある好チーム。今季からHCが変わったのですが、米代表DMF Klye Beckermanを中心に良いサッカーを展開してくれます。先制ゴールも自陣からたぶん15本ほどパスをつないだきれなもの。こういう相手陣を崩してのゴールが増えてくるとTV観戦での説得力も増してくるように思います。その良いサッカーを凌駕して相手ゴールに様々なアングルから襲いかかるSoundersという構図はなかなか楽しい。ブラジルW杯で名を挙げた右SB(いまとなってはもうMFというぐらいあがりっぱなし)DeAndre Yedlinはボール持ちすぎの場面が多くイマイチでしたが積極性は買うべきでしょうか?決勝点のアシストでもゴール前まで詰めてました。

ちなみにMLSの金曜夜の放送に私は賛成です。フットボールシーズン前まではESPN系で木曜、他系列で週末というスケジュールに長年固執してきたんすが、今年は通年固定曜日を諦めて木曜日はフットボールシーズンが始まると譲ってESPN系では水曜に移動、NBCSNでも金曜夜に移動してニッチに徹しています。以前は木曜夜はカレッジフットボールの夜だったのが最近はNFLも試合をぶつけてくる夜となっており、MLSが放送をしても視聴者も乏しいし報道すら望めない。週末も同様で土日に興業するのは良いですが(実際スタジアムはまずまず堅実に入ります)がTVで放送するのはフットボール関連で極端に多忙なTV局側にとって邪魔になるほど。金曜日に移すのは当日比較的競争相手が少なくて良いことであろうと思います。

なおReal Salt Lakeの前任HCであるJason Kreisは来季からMLSへ参入するNew York City FCのHC職に就くための離任=栄転であります。New York City FCはEPL Manchester CityとMLB New York Yankeesの共同所有の新チーム。ユニフォームのカラーもMan C風の水色系が予定されているし、出資比率もMan C 80%-Yankees 20%、Yankeesが出資を決めたのは後付だったという経緯もあり実質的にはMan Cのチーム、地元向けの顔としてYankeesという形でしょう。この顔役マイナーオーナーというやり方は最近のアメスポではしばしば使われる手法ですね。同じニューヨーク地区でBrooklyn Nets(当時New Jersey Nets)をロシア人富豪が買い取った際に外国人オーナーであるのを中和する目的でBrooklyn出身の人気ラッパーのJay-Zに共同オーナーの地位を与えて地元民の関心を高めたという手がとられたことがありました。地元の繋がりというのはアメスポチーム(特に外国人オーナー)にとっては重要ですし、MLSの場合シーズンの重なるMLBと敵対していては経営がおぼつきません。

Yankeesはマイナーオーナーですが顔役は既に十二分に果たしています。YankeesのYESでの放送(Yankeesの手持ち局)でNew York City FCのシーズンチケットの宣伝をよくやっています。ただの宣伝だけでなく試合アナがちょっとした小話も挟んでくれる。Man CがYankeesの応援を頼んだのはとても良い判断だったと思います。Yankeesの放送ほど同市のスポーツファンへの露出が望めるコンテンツはなく、そこで単なる宣伝以上の親近感をもってお馴染みのアナウンサーが新MLSチームのことを語ってくれる。20%の株式をYankeesに(たぶん格安で)渡してもMan Cにとってはすでに大きな利益を得ているだろうなと思います。YESの放送枠を考えればたぶんYankeesと放映時刻で重なることもないはずで、その面でもニッチ狙いですがそのぐらいがMLSにとっては実力に合ったいいさじ加減でしょう。

BYU、勝って負けたか

木曜夜のNo. 25 BYUの試合。33-25でHoustonに勝利。試合の出だしはBYUにとっては最高で、これは視聴者に対して良いアピールになる試合だなあと思っていたのです。パントで相手ゴール前に追い込みランをエンドゾーン内で止めてセイフティで先制点。その後3TDをあっさり重ねて23-3と大きくリード。オフェンス、ディフェンス、スペシャルチームがそれぞれ良いところを見せての早々の大量リードでしたから。

ところがそこから状況がすっかり変わってしまったわけです。試合としてはなかなか見所が多く面白い試合になったので見ていて退屈はしませんでしたが、ことマイナー校のプレーオフ進出というテーマからするとこういう試合をしてしまうとBYUをシーズン後に選ぶにはケチがついて苦しいだろうなと思います。BYUが全米制覇してから30年後に巡ってきた久々の非メジャー校にとってのチャンスかもと期待を抱かせた先週の@Texasでの圧勝でしたが、この勝ち方だとプレーオフ進出が苦しそうです。BYUのQB Taysom Hillは大型なのに走りが柔軟な感じで、これでメジャー校にいたら全国区のスターになれそうな選手です。試合中に紹介されていましたがサイズ、パワー、バランス、しなやかさ兼ね備えた感じの選手です。高校からリクルートされた時点ではプロスタイルとして評価されてStanfordに行く予定だったとか。それが高校を繰り上げ卒業して大学の春キャンプに参加したい意向だったHillをStanfordが受け入れず、それを嫌ってBYUに来たという履歴です。そしていまは走れるQBとしてBYUで活躍。もしStanfordに行っていたとしたらAndrew Luckの後継としてStanfordで大型スターQBになっていたのかもです。この日は2INTだったんですがどちらも本人のミスとは言い切れないINT(一つはスクリメージでディフェンスの手に当たって跳ね上がったボールがディフェンスの選手のところに落ちてきた。二つ目はレシーバーがボールをもぎ取られたようなINT)で、走る方は抑揚が効いていて、またディフェンスの手がかかっても簡単に倒れない。横手投げの場面が多くプロ向きにはかなりフォームの基本から修正を強いられそうですが、なかなかおもしろい選手だと言えると思います。もしBYUが勝ち込んだ場合、ハイズマン賞候補にあがってくるかも。

スケジュール強度の面からして新設プレーオフの進出の可能性は大きくないのかもしれませんが、今季から拡大した6大ボウル出場は十分に自力で狙えるのかな、というところです。

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