平日の夜にこういう見るのがやめられない試合はおもしろいけど迷惑という大熱戦でした。MLBプレーオフが開幕、のっけからすごい試合をやってくれました。29年ぶりにプレーオフに進んだKansas City RoyalsがOakland AthleticsをWild Cardの一発勝負で12回逆転サヨナラ勝ちに葬っての勝利。最終スコア9-8。野球ってこんなにおもしろかったかーと改めて思わせる試合内容ですっかり興奮です。Royalsは三度もビハインドに陥り、特に中盤にA'sの連打に大量失点した場面では球場も静まりかえり、A's先発Lesterが持ち直していたのもあってこれまでかというムードも漂っていたのを機動力で盛り返して8回9回に攻め続け同点。でまたその追いついていく過程が漫画的。出てくる代走がめちゃめちゃ足が速かったり、8回も同点になりそうでならないとか。9回の青木の同点犠飛を呼んだの決め手の三盗は二人目の代走Dysonでしたが、その前のGoreが初球から走ってきたのが笑ってしまうぐらい速くてすごいなと。噂には聞いていた現在MLB一の俊足とはこれかと見せつけられました。まだ先発Lesterの時だったので癖その他は事前に頭に入っていてのことでしょうがそれにしても一球目からこれかとその思い切りの良さに感激。なんでもこの試合までに五度代走に出て五度盗塁成功+五度ホームに帰ってきていたとか。延長に入って出てきたリリーフのFinneganは今年の6月にドラフトされて入ってきたばかりの投手(今年のMLBドラフト生ではいのいちのメジャー昇格)ですがこれが気合いの入った熱投で2回1/3を締めてくれたのも生きが良くてRoyalsのカラーにぴったり。TCU出身でドラフト後にCollege World Seriesにも登板したんですね。例年良く見ているCWSですが今夏はサッカーのW杯と重なっていたので観戦回数が激減、このFinneganの登板も見ていないのが残念ですが、とにかくつい最近までカレッジで投げていた若手がMLBポストシーズンの真っ直中に放り込まれても外連味なしでズバズバメジャーの打者の内角に速球を投げ込んでいくところなんて爽快感がすごいです。12回表のA'sの勝ち越し点がFinneganの自責だったのでRoyalsが追いつかなければ負け投手になった巡り合わせだったですが。
Royalsの現在のメンバーで全国区で名前が通ってるのはこの日先発したTampa Bayからきた'Big Game' James ShieldsとWBCで米代表にも選ばれたEric Hosmerぐらいでしょう。それ以外の無印に近い選手たちばかりが出てきてそれぞれが良い仕事をしてくれるのがまた良かったです。決勝点のSalvador Perezはその前の打席が外角の糞ボールをぶんぶん振ってチャンスを潰し続けていたのでベンチに残っていたIbanez使うとかないのかなという気もしていましたが、結果オーライ。7人による7盗塁といいリリーフ陣の分業状態といい、ひとりのヒーローがひっぱるチームじゃないところが野球漫画的でいいなあと。この前のJeterのYankees Stadium最終戦でのサヨナラ打は別の方向で野球漫画的でしたが、どちらも心より楽しめました。試合の展開もプレー内容も良かったですが、やはり見る側がこの試合の結果が意味があると思って見るというところ、やる側も投手リレーで特攻回転してしまうなど、やはり試合の設定というのは大事ですね。
もしRoyalsが漫画の世界なら、この日の二番手で3ランホームランを打たれてしょぼくれていたYordano Venturaが次回の先発では速球で押しまくって活躍する流れでしょうがどうなりますか。