今季から選抜委員会による四校のプレーオフ方式に移行したカレッジフットボール。その途中経過報告として毎週火曜日に発表になるランキングですが、これが期待はずれにつまらないです。昨年までのコンピュータランキングを含んでランク付けをしていたBCS方式から選抜式に変わったわけですがなぜこんなにおもしろくないのか。昨年まではわくわく感があったのがまったく消失しています。
結論から言えば毎週日曜日に先行している記者投票によるAPランキングとの差別化がほとんどないからでしょう。差別化もないし、ランキングが発表されても語るべきこともほとんどないのです。これほどつまらないことになるとは。
選抜委員会ランキングの上位4校がプレーオフに進む仕組みで現時点の同ランキングはNo. 1 Mississippi State, 2 Florida State, 3 Auburn, 4 Oregon, 5 Alabama。先行して発表されていたAPランキングでは1~3まで同じでNo. 4にAlabama, No. 5 Oregonと逆になっています。ただAuburnとAlabamaの直接対決が残っているのでこのNo. 4-5の順位が逆になっていても実際のところはなんの差もありません。Auburn x Alabamaの敗者がOregonの下に去るのは確定なので現時点でOregonがNo. 4であろうとNo. 5と差がありません。緊張感ないなあと。
選抜委員会制に移行するときの謳い文句のひとつとして試合内容を加味するとか、スケジュールの強度を重視するなどがあったんですが、実際は単にAPランキングをなぞっているだけにしか見えません。昨年までのコンピュータランキングが人間による投票とは別のアングルから光を当てて話題を提供・投票者にも影響を与えていたのとは様変わりです。コンピュータランキングが正しいということではないにしても、意見の多様性を明確に見せることができたコンピュータランキング制と比較して、投票者が投票内容を秘匿して外部からはなにも語ることのない今の制度では楽しみが激減です。
ちなみに昨年までBCSランクの一部として採用されていた6台のコンピュータのうちのひとつであるMasseyの現時点でのランクを見るとAuburn, Mississippi State, Alabama, Ole Miss, Oregon, Florida State, TCU, Kansas State, LSU, Oklahomaがトップ10です。全勝のFlorida Stateを6位、トップ4を全部SEC西(2敗のOle Missを含む)で占めてしまうというこの空気を読まなさぶりがコンピュータランキングの楽しみでした。コンピュータが常に大きく投票ランクと違うかというとそうでもなく同じく昨年までBCSのコンポーネントだったBillingsleyだと現時点の順位は選抜委員会ランクとほぼ同じでFlorida State, Mississippi State, Auburn, Oregon, Alabamaがトップ5。その下は特色が出ていてLSU, Arizona State, Notre Dame, TCU, Michigan Stateがトップ10を形成しています。
選抜委員会のメンバーによる投票内容もひょっとしたら単に合計(正確にはそういう風には投票されていませんがここでは省略)を発表すると無難な並びになっているだけで、個々の投票者は特色のある投票をされているのかもしれませんが、外から見る限りはそれは感知する余地がない。そもそもランキング制などというのはファンを煽るための仕組みなのですから無難なランキングでは楽しみがないわけです。