アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

ESPN.comでesportsが既にジャンルになっていた

今日初めて気が付きました。ESPN.comでesportsがプルダウンメニューに入ってる「その他のスポーツ」のジャンルの中に既に含まれていました。うーん。まだ確立したesportsのポータルサイトがどこにもないので一気にトラフィックを集めるつもりか。他にもWWEも入っていたりとかなり並びが変わっていたのでメモしておきたいと思います。ちなみにこれを確認する前に普段使わないブラウザでクッキー履歴を消してアクセスしたのでたぶん本日現時点デフォルトの状態がこの順になっているはずです。

NCAAM MMA NHL
NCAAW NCAAF Tennis
Golf WNBA NBA G League
Boxing WWE esports
Chalk Analytics NCAA Softball*
NASCAR F1 Racing
Olympic Sports Horse Racing Recruiting FB
Reruiting BB College Sports Lettle League World Series
Special Olympics X Games* Cricket*
Rugby CFL*

「*」がついているジャンルはESPN.comから外へ飛ばされます。ソフトボールは女子スポーツ専門サイトのESPNWへ、CFLはESPNのカナダの姉妹社TSNのサイトへといった具合。以前はRugbyは英国のESPN系列のサイトに飛ばしていたと思いますが内部化。これはサッカーもそうですね。以前はESPNFCという別サイトに飛ばしていたのがESPN.com内に収容されてます。外部サイトに飛ばされるといかにもジャンルごと外様扱いな感じがするので米国内のサッカー・ラグビーファンは内部化されたことは歓迎すべきでは。
アメスポ屈指の人気ジャンルのカレッジフットボールがその他にされてここに埋もれているのはオフシーズンで話題がないからでしょうし、昔と違ってかなり細かくトップメニューとその他を季節によって入れ替えているのだと思われます。ちなみにトップでメニューに現在並んでいるのは4ジャンル、NFL NBA MLB サッカーの順になってます。

Chalkというのはスポーツ賭博関係。あとはだいたい想像がつくと思いますが、リクルートBBというのは高校からカレッジバスケへ行く選手の話題、FBは同フットボール。College Sportsはフットボールバスケ以外のカレッジスポーツ(ESPNWだけでなくここからでもソフトボールの記事にはたどりつけます)。F1は独立ジャンルにもなってますが、Racingモータースポーツの方からでも大半がF1の話題という若干カオスな感じ。Analyticsはどんなおもしろい分析記事が載っているかと期待して見に行ってみたんですが、普通の解説記事に毛が生えた程度の内容でちょっと肩透かし。わざわざ独立の項目を立てるぐらいだからもっとすごい数字での解析で各ジャンルをぶった斬っていたりするのかと期待したのは期待しすぎだったみたいです。
当ブログで押しているラクロスはどこから行くんですかね。バレーボールは五輪種目ですが、ラクロスは五輪種目ですらないですからね。カレッジラクロス男女の試合はCollege Sportsから行けますがプロラクロスは情報ゼロみたいです。五輪のページはざっと見たところバレーボールの話題は皆無。
他で目立つのはというとNBA G Leagueが人気の割にずいぶんいい場所にリンクを置いてもらっているのはNBAとの取り決めでなんかあるのか。

なおESPNでジャンル名が「esports」とハイフォンなし全部小文字になっていたので、以後当ブログもそれに合わせようかと思いました。

Virginia、昨年の屈辱を晴らして全米制覇

いまOne Shining Momentまで見てきました。March Madness終了。最終スコア Virginia 85-77 Texas Tech。延長戦の末Virginiaが優勝してます。準々決勝と決勝戦が延長戦、準決勝は1点差勝利。接戦をものにし続けての優勝になってます。昨季、全米No. 1シードで臨んだNCAAトーナメントで一回戦でUMBCに惨敗、史上初のNo. 1シード校の対最下位No. 16シード敗戦というところから一年。見事に汚名をすすいだことになります。

試合の方は終始Virginiaが優勢。点差が開いて一方的になりそうだった場面になるとTexas Techのアウトサイドシュートが続けざまに入って追いつくというのがたぶん3度。しかし延長戦でのVriginiaのランにはTexas TechがついてこれずVirginiaが逃げ切ってます。
Virginia De'Andre Hunterが後半に入って大当たり。レギュレーション終了直前のVirginiaが追う場面で、その当たっているHunterをディフェンダー(たぶんNBAドラフト1巡目ロッタリー指名候補Jarrett Culverだったはず)が捨ててゴールへヘルプに行って、そこを突かれてHunterがコーナー3を決めたのが直接的には敗因でしょうね。あれだけ当たってる選手には何があってもベタ付きすべきところ。コーナーからの3ポインターはその前にも決められていて、それを放ってのあの守りは悔いが残ります。

またトーナメント通じて当たっていなかったVirginiaのオフェンスが今日は良く入りました。粘り強さ、接戦でのメンタルの強さで勝ちきった感じですね。
今大会通じて審判のファールコールがかなり控えめだったのもディフェンスに強みを持つチームには有利だったかと思います。(笛が少なかったのは審判団の過去の反省からだと思います。揺り戻しで来季はまた傾向が変わるかも)

One Shining Momentの前に放送でも言ってましたが今大会はブザービーターがなかった。一本もなかったですか?なんか例年よりOne Shining Momentが盛り上がらなかったような気がするのですが。コレという名場面が足りなかった面もあるんでしょうが、今年はビデオ編集もとても下手だったような?

他に小ネタでは試合中に言ってましたがTexas Tech出身のKansas City Chiefs QB Patrick Mahomesは今日の決勝戦に出場していたTexas Techチームのシニアたちとは直接の顔見知りなんだそうです。特にキャプテンのNorense Odiaseとは在学中にピックアップバスケで何度もプレーしているんだとか。OdiaseによればMahomesはバスケも相当うまかったそうです。タイプ的にはスポーツ万能っぽいですよね。今日も準決勝に続いてスタジアムで観戦してました。

ビデオ判定をどこまで持ち込むべきか

March Madness NCAAトーナメントの全米準決勝第2試合 Texas Tech x Michigan State戦にNFL Kansas City Chiefs QB Patrick MahomesがチームメイトのTravis Kelceを伴って観戦に来てましたね。MahomesにとってはTexas Techが母校。Texas Techはバスケでもフットボールでもイマイチ校なのが、NFLでMahomesが昨季一気に次世代QBのナンバーワン候補になると、バスケの方で全米優勝戦進出。一気にTexas Techに運気が来てるような感じですね。


さて表題の件。準決勝第1試合の方で勝負どころで勝負を左右する反則の見逃しがありました。試合終了間近の時点で2点差を追うVirginiaがボールをフロントコートに運ぼうとしたところで、ドリブルが自身の脚に当たってボールをロスト。それを拾って再びドリブルで前進したところでAuburnがファール。これ、ダブルドリブルです。完全に審判の見逃し。ダブルドリブルならボールはリードしたAuburnボールとなる場面。
しかしダブルドリブルはなかったことにされてそのまま試合は続行。結局フリースローを3本決めたVirginiaが逆転勝ちで優勝戦に進んだわけです。

これ、ダブルドリブル直後にAuburnのファールがすぐあったこともあって試合はそこで止まったわけです。そのまま試合が続いてしまっていたらなんとも難しいんですがとにかく止まった。でもルール上、ダブルドリブルの見逃しはビデオ判定で覆せないということだそうで、そのまま。

これはこの前NFLで新暫定ルールとして採用したスカイジャッジと同じ運用ルールがないと覆せない事例となります。審判の明確なミス・見逃しをビデオ審判が止める権限を持っていないとこれは正せない。NFLのときもNFC優勝戦=実質準優勝戦という大舞台の終盤で審判の大きな反則見逃しがあり、勝負の行方が変わってしまった。それが新ルールの採用につながりました。NCAAトーナメントもまた全米準優勝戦の大詰めでの審判のミスで勝負の行方が変わった可能性が高い。あってほしくないミスですが、実際に起きてしまったわけです。

NFLはビデオ審判を雇うカネも手間をかけるリソースもあるでしょう。全試合に適用するのは可能。カレッジバスケはD-Iだけで351校があり、同じことはたぶんできない。ではNCAAトーナメントだけの特別のスカイジャッジルールを採用する?それぐらいしかやるとしてもできないでしょうね。

スーパー高校生が入ってこないMarch Madnessがこんな試合ばかりだったら嫌だ

March Madness NCAAトーナメントが再開。準決勝のVirginia x Auburn戦を観戦。しかしこの試合、見るのがつらかったです。
VirginiaはDivision Iの全351校中、試合当りのポゼッションの数が最小。つまりは極端な遅攻かつ相手にも速攻を許さないチーム。その安定感は過去2シーズン嫌という程見せられてきたんですけど、この日もなんというか‥ ものすごく正直に言えばこれほどつまらない試合もめったにないなあという試合になりました。注目の選手がいるわけでもなければ、豪快な攻めも爽快なプレーも数少ない。相手のAuburnも試合前からわかっていたんでしょうが結局Virginiaのペースにはめられてしまいました。


先日Elite 8で敗退した名門DukeのHC Mike Krzyzewskiが近い将来にNBAが高校生を直接ドラフト入りできるルール改正をすることを念頭に、カレッジバスケットボールの側もこれに対応しないといけないということを言ってました。その話はありていに言えばカレッジも選手になんらの報酬を払わないと、有望高校生が根こそぎNBAに獲られてしまい選手の質が大いに低下するということだったと推測します。コーチKはそうは言ってませんが、まあそういう意味のはず。

NBAが高校生に門戸を開くことでどのレベルの選手までがカレッジに来なくなるのかはまだ誰もわからない。少なくとも今年のDukeのスターZion WiliamsonやRJ Barrettは絶対に来ないし、カレッジではバストに近い内容となったCam Reddishも高校生当時の評判からすれば直接NBAドラフトに行ったことでしょう。毎年の上位10数名ほどがNBAに青田買いで直接進むとすると、McDonald's All Americanの選手の大半はカレッジにはこなくなる。
それ以外にも元々頭のあまり良くない子、勉強嫌いの子、大学の入学最低基準に達する学力が怪しい子はさっさと勉強を放棄してNBA一本に絞ってしまうのでしょうから、その子たちはNBAから指名されようがなかろうがカレッジの方に来ることはなくなってしまいます。
そうやってスターもいなければ、カレッジに来る人材のレベルも下がったらどうなるんでしょう。過去のように楽しいMarch Madnessになるのか。それとも今日のVirginiaのように上級生による遅攻+鉄壁ディフェンスのチームばかりが勝つようになるんでしょうか。それもなんかなあと、いまの今その試合を見たばかりだと嫌かなと。
いや試合は接戦でした。63-62。でもこれ、おもしろいかなぁというと、うーん、という。最後もこの試合らしく2点差を追うVirginiaの最後の3ポインターにAuburnがファール。3本ともフリースローを決めて逆転勝ち。Virginiaらしい勝ちと言えばそのとおりですがなんだかなと。

Virginiaを中心のストーリーとしては、昨季NCAAトーナメント史上初のNo. 16シードに負けた屈辱をバネに、一年後の今優勝戦進出!という話になるわけですけど、試合の内容は昨年UMBCに負けた試合と内容は実はあんまり変わらないんですよね。

サッカー人気の中身 南部の偏見編

現在アメリカサッカー国内リーグMLSの動員頭はAtlanta Unitedなわけです。Atlantaはアメリカ南部の最大の大都市。MLSは1996年にリーグを始めてからAtlantaに進出するまでに21年を要しました。MLSにとって南部は長く空白区だったわけです。満を持してAtlantaにチームを作るとなったときにも多くの関係者から「Atlantaはダメだ、やめた方がいい」と強い否定意見が出ました。今ESPN系でサッカー解説をやってるTaylor Twellmanも散々ムリだと放送で言いまくっていたのですが、予想を大きく裏切る成功で動員記録を維持しています。ホームのNFL Atlanta Falconsの美麗な新スタジアムMercedes-Benz Stadiumの新スタ効果も当初は多分にあったでしょうが、それだけでは説明がつかないレベルで現在も動員を維持してます。


そもそもなぜ関係者がこぞってAtlantaはムリだと予想したのかというと、ありていに言ってしまえば南部ではサッカーに対する偏見がひどいから、ということになります。南部はアメリカの平均とはいろいろと違います。その違いは海外からだとうまく感じ取りにくいでしょうが、実にアクが強いです。

一般に南部というのは南北戦争の南軍地域とほぼ同じです。政治的には保守の鉄板州が多い。人種差別も根強い。これが南部のうちでもDeep Southと言われる諸州になるとその傾向がさらに強い。一般にはDeep Southとはアラバマ、ジョージア、サウスカロライナ、ミシシッピ、ルイジアナの各州を指します(文脈によってはテキサスを含むときもあり)。そしてDeep South内の最大の都市がジョージア州Atlantaというわけです。

スポーツでいうと南部はカレッジフットボールの最強カンファレンスSECの強固な地盤でもあります。SECフットボールのフィールド上での実力、そしてファンの熱さはものすごいものがあります。動員力はNFLをしのぐほどで、8万人10万人という巨大スタジアムを毎試合埋めます。(NFLスタジアムは6万人前後の規模のものが多い)

そのSECは男子サッカーをいまもって正式種目にしていません。女子サッカーはSEC所属14校全部にあるんですが。かなり普通ではない男子サッカー疎外がいまもって行われているのがSECの土地柄なんですね。
また北アメリカ大陸の中央部穀倉地帯からその南、オクラホマ・テキサスにまたがる地域を地盤とする5大メジャーカンファレンスのひとつBig XIIカンファレンスも男子サッカーが正式種目としてありません。女子サッカーは所属の10校すべてチームがあり正式種目ですが、男子はない。あとからBig XIIに加入した東の飛び地のWest Virginiaには男子サッカー部はありますが、Big XIIでは対戦相手がないので男子サッカー部だけはBig XIIではなくMAC所属になってます。SECとBig XIIの両カンファレンスを足すとアメリカのメジャー大学のざっと40%が男子サッカーを正式種目として認めていないということになります。Big XIIのまたがる地方も価値観はSEC地区と共通する傾向があります。強い保守の地盤州でもあります。

また先日紹介したDr. PepperのTVコマーシャルでカレッジフットボールファンがサッカーを揶揄する内容のそれは、そうとは明瞭には言ってませんがものすごく南部っぽい風景だとアメスポファンはすぐに嗅ぎ取ることでしょう。サッカーは女のスポーツだ、男がやるのは女々しいというような偏見が21世紀になってもまかり通りうるのが南部だとご理解ください。
もうひとつ余計な話を加えるとサッカーファンは政治的にリベラル層が多いのが調査上明らかになっており、これも南部でサッカーが差別されやすい原因につながっている可能性があります。


そういうわけで南部と男子サッカーは相性がとてもとても悪いと誰もが思っていたため、MLSも大都市であるにもかかわらずAtlanta進出を長年目指さなかった。それが踏み切ってみたら盛況。良い方に予想が大きくハズレたわけです。


で、その理由ですが、私の解釈はこうです。南部でも少年少女のサッカーの草の根は長年あってサッカーをやっていた元選手たちは数はかなりいたのだろうと。但しその土地柄からして男子サッカーは常にフットボール選手やファンに見下され揶揄される対象になりがちだった。それがMLS Atlanta Unitedという応援の核を得て一斉蜂起した状態なのではないかと。過去のコンプレックスの裏返しが爆発して、自己肯定がAtlanta United支持に結びついた結果なんじゃないかなと。
この私の解釈が当たっているかどうかは確かめる術がない(否定する材料もないと思いますが)ので読む方はあくまで憶測程度に思っていただいて良いですが、少なくともそう捉えることは可能ということで。それに他に納得できる説明をマスコミその他でも聞いたことが一度もありませんし。

ほかのAtlanta Unitedの成功の要素としてはMLSが参入したタイミングというのがNHL Atlanta Thrashersが移転して消滅した直後だったので元Thrashersのシーズンチケットホルダー(個人・法人)のお金が行き先を求めていたのをうまく吸収した可能性はありそうです。これはSeattle SoundersがMLSに参入したときにNBA Seattle Supersonicsの転出が重なったのと似たケースだったでしょう。


Atlantaのそれは南部のサッカーの潜在的劣等感と抑圧の歴史をうまく観客動員に昇華した部分があったとして、あとのMLSの動員成功二例=Seattle SoundersとFC Cincinnatiはもっと健全に見えます。コンプレックスの裏返しではなく、もっとニュートラルな意味でサッカーを好んで見るひとたちがちゃんと育っていたのではと思わせるところがあります。SeattleもCincinnatiもヒスパニック人口の多い都市でもありません。普通のアメリカ人の支持を受けているように見えます。
Seattleのときはあまりにも突然の意外な成功で、成功する前をリアルタイムで観察できなかったのであまり語れないのですが、現在進行形のFC Cincinnatiの成り上がりの僅か3年の軌跡を見ていると、いままでのMLSの成功例と違うと思わせるところがあります。

上で触れた通りSeattleのケースならNBAが、AtlantaならNHLがそれぞれ転出した後にMLSが参入したので、元々NBA SonicsやNHL Thrashersにお金を使っていたシーズンチケットホルダーや法人から需要をある程度吸い上げた可能性がありますが、Cincinnatiの場合はそれはない。CincinnatiにはMLBとNFLのチームが長年所在し強くはないですがどちらも健在。

Seattle Soundersというチーム名は(正式には別組織ながら)1970年代NASLの昔から存続してきた地元ではなじみの老舗サッカーチームでもあったわけですが、Cincinnatiの場合はそれもありません。2016年になにやら唐突に設立されたローカルセミプロチームがなぜか地元で大当たりして満員の盛況を続け、3年後にMLSに昇格(正式にはこれも同名の別組織ですが)したという成功例です。MLSが市場リサーチしてこの都市がサッカービジネスの拡張先として良いとかなんとかそういう選別をしたわけでなく、どちらかというとMLSはノーマークだった地方都市で突然マイナーリーグサッカーチームが人気になって、それが無視できない勢いとなったという不思議なボトムアップの例なのです。

アメリカのサッカービジネスでこれに近い例はたぶん1990年代のRochester Raging Rhinos(現Rochester Rhinos、活動休止中)しかありません。当時はMLSの成立初期で、きついサラリーキャップのあった零細MLSよりも予算が多く、動員も北米最大のサッカーチームだったアメリカサッカーのミュータント的存在だったチームです。いまとなってはその存在を知ってる人もほとんどいないでしょうが、あれはすごく不思議でした。

FC Cincinnatiの自然発生的な成功は既存のサッカーファン(多くはサッカー国にルーツを持つひとたち)に頼らない、アメリカ生まれのアメリカ人サッカーファンに支えられたOur Soccerの成功例として考えられるのではないか、という意味で大きいと思うのです。

サッカー人気の中身 Gallup調査編

Gallupというのはアメリカの市場調査会社の老舗です。手がける分野は広く言ってみればなんでも調べる。その一ジャンルとしてスポーツ関連でも長年定点観測の貴重なデータを集収公開している会社でもあります。データの信頼性は高いです。

アメスポにおける各ジャンルの人気の推移データとしても多く引用されるので日本のアメスポファンもご覧になったことがある方は多いかと思います。最もよく引用されるのは「What is your favorite sport to watch?」という一択質問の結果でしょう。長年同じ質問形態を保っているのでその経年推移はアメスポの人気の推移を映し出す良い資料となってます。参考までにコピペすると以下のようになってます。

2017201320082007200620052004
%%%%%%%
Football37394143433437
Basketball1112911121213
Baseball9141013111210
Soccer7432232
Ice hockey4344243
Auto racing2233455
Tennis2311132
Golf1222322
Volleyball1*1**1--
Boxing1121211
Gymnastics1*111*1
Motocross1*****1
Ice/Figure skating1112334
Rodeo1****11

小数点以下四捨五入の%。
この資料単一でも様々なことが言えます。サッカーに関してだと上昇トレンドになったのは数年内のことでほんの10年以上前だとフィギュアスケート辺りと上だ下だを争わなくてはいけない時代があったこととか、NASCARを含むモータースポーツはその人気のピークを10年以上前に打ったであろうこととか、野球がなぜか2013年調査でピークになっていることなどが目立つところでしょう。2013年に野球になんかあったっけ?という感じですが。

ただしここで留意すべきなのはこの資料が一択の回答を元にしていることです。アメスポではまったくもって当然のことですがフットボールファンだってMarch Madnessは当然見るわけです。大いに熱狂もするでしょう。でもそういう数字はこの調査では拾われないわけです。私個人で言えばそうとうにいろいろなジャンルを楽しみますが、もし一択で回答を求められたら自分のfavorite sportsはカレッジフットボールと答えるでしょう。でも例えばNBAも相当の試合数を毎シーズン見ます。たぶん大半のNBAファンよりも試合数は見るでしょう。でもそういうのは数字に出ない調査なんですね。
定点観測の大きな価値があるのでこの調査は今後も同じ内容で続けられるべきものですが、各ジャンルの人気の中身がどうなっているのかは別の分析が必要になります。この資料だけで結論づけるのは無理がある面があるのです。

Gallupはちゃんと他の調査も様々にしてるんですね。例えば「For each of the following, please say whether you are a fan of that sport or not.」という設問でここにあります。それぞれのスポーツについて「あなたはファンですか、非ファンですか」を問うているものです。

ざっと結果を列記すると(ファン/非ファンの%)
プロ野球 47/48、プロフットボール 54/44、プロバスケ 34/60、プロホッケー 24/72、カレッジフットボール 52/44、カレッジバスケットボール 34/62、モータースポーツ 27/68、プロサッカー 24/71、フィギュアスケート 34/58、プロレス 8/89 などとなってます。
どうでしょう。最初の資料とはかなり違うものが見えてくる数字が並んでいると言えるでしょう。最も頻繁に引用されるGallupの資料だとサッカーが野球に肉薄しているかのように見えますが、実質複数回答となる設問のこの調査だとサッカーは狭いファン層、野球はずっと幅広いファン層を持っていることが伺えます。同じく野球との比較で野球の人気を近年になって抜いたと認識されることの多いプロバスケNBAですが、実はファン層は意外と狭い(対野球比)ということも示されてます。非ファンだと回答する人が野球やフットボールと比較してかなり多いです。最初の資料だけだとアメスポでダントツ一強のように見えるプロフットボール(事実上=NFL)でも人口の44%は興味がないという結果になってます。またフットボールはプロもカレッジもほとんど同じファンの割合です。これが一択になるとNFLの方が圧倒的に一強の人気、のように見えてしまうんですけどね。そういうわけで一択の調査結果だけではわからないことが見えてきます。

サッカーについて見れば自身をサッカーファンと自覚する人は24%。ほぼ国民の4人に1人。けっこう多いのではないでしょうか。これはホッケーファンとほぼ同じ、モータースポーツやフィギュアスケートを下回る。熱心なサッカーファンがサッカー人気を牽引する裾野はかなり狭いジャンルと言え、サッカーよりも狭いファン層で、それにも関わらず盛り上がっているというとプロレスぐらいしかないということになります。
ホッケーとサッカーの比較で言うとファン・非ファン比率がほぼ同じなのに、一択の方の調査結果だとサッカーの方がずっと大きい数字になっている。これはホッケーファンは他のアメスポメジャーファンと重なりが大きくて、一択で回答を迫られたときにかなりの人がホッケー以外を回答している可能性が示唆されます。逆にサッカーファンはサッカーへの忠誠心が強いという言い方も可能でしょう。この辺りは私の体感とも合う調査結果に思えます。サッカーファンは一神教型、ホッケーファンは多神教の一部を構成という感じでしょうか。

サッカーのファン層が伝統的アメスポメジャーよりは裾野が狭めとは言えホッケーと同等なら立派なもののはずですが、先日論じた通りサッカーの熱狂的なファンを多く含むヒスパニック人口がアメリカ全体の17%を占めているという事実と複合的に考えるとちょっと問題もあります。ヒスパニックの全員がサッカーファンとまで極端な仮定はすべきではないでしょうが、それでも24%のサッカーファンと回答した人たちのうちのかなりの部分をヒスパニックが占めている可能性はあります。
もしそうだとすると非ヒスパニックのサッカーファンの割合はここでの見かけの24%よりかなり小さい可能性が高い。前回Our Soccer編で取り上げた通りMLSはこの狭いファン層をきっちり動員したりTV視聴につなげたりしないと数字が上がっていかないことになります。動員の方ではいくつかの新市場でうまく行ってると言えるMLSですが、TVの方では苦戦が続いてますね。
中期的にはこの裾野の狭さをどう解消していけるかが課題になります。
記事検索
最新コメント
読者登録
LINE読者登録QRコード
メッセージ

名前
メール
本文