アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

オールスター戦後残り30試合の見通し

NBA Golden State Warriorsは今日もホームでHouston Rocketsを退けて今季の成績を47勝4敗としています。Klay Thompsonが得意の3ポイントシュートを7本投じて全部外れ。Draymond Greenが試合終了前残り2分までフィールドゴールゼロ。主力の二人が明瞭に平均以下の悪い試合をしながらも123-110、粘ったRocketsを振り切ってホーム42連勝。すごいですね。Curryも得点こそ前半に稼いで35点挙げたものの後半は珍しいぐらいの大ハズレのシュートを打ってみたり決して良い試合ではなかったですが、それでも最後は二桁得点差で逃げ切り。47勝4敗は51試合時点でのNBA史上単独最高成績だそうです。1995-96シーズンのBullsよりもハイペースで飛ばしていたチームが他にもあったので、これまでのWarriorsの成績はBullsは上回っていたものの途中経過では単独トップじゃなかったそうです。明日連戦がアウェイのPhoenixであって、それがオールスター休み前の最後の試合になります。Phoenixは現在の調子ではNBA最弱に近いのでたぶんWarriorsが勝つとすると52試合終了時で48勝4敗。82試合制なのでオールスター後に30試合を残して、NBA史上最多勝の72勝を更新するためには25勝5敗のペースが要求されることになります。5敗でシーズンの残りを乗り切れるかどうか。後半戦の大きな興味になることでしょう。

まずチーム事情の方ですが控えセンターだったFestus Ezeliが膝の手術で復帰に最短6週間を要すると発表されています。ここから6週間というと3月中~下旬の復帰。プレーオフまでには間に合いそうですが、レギュラーシーズンの最多勝記録にはこのケガがけっこう響いてくる可能性があります。Ezeliのここまでの出場時間は17.8分。この数字は控え選手にしては多いと言えるんですけど、Warriorsの場合、第3Qまでに勝負を決めてしまって第4Q全部がガーベージタイムとなって出場している数字も含むので普通に18分近く出ている重要な選手、というわけでもないところには注意を要します。

ただWarriorsの得意とするスモールラインアップ(PF Greenを5番としてCurry/Thompson/Iguodala/Barnsで構成)が通用しない相手もままあるわけです。例えばUtah Jazzなんかですね。11月に対戦したときに苦労させられていました。3/9にそのJazzとは対戦予定でその試合はEzeliが不在なのが効いてくる試合になりそう。なにせ72勝への挑戦はギリギリになると予想されるので対Jazz戦とかいう試合を落とすと苦しくなります。まだトレード期限前なのでWarriorsのフロントは当面の補充としてどこからから控えセンターを獲ることも当然検討していると思います。

スケジュール面から見るとオールスター明けにいきなりWarriorsはロード6連戦が予定されていて、実は今日のホームでのRockets戦が2月のホームでの最後の試合という偏ったスケジュール。@Portland(西9位), @LA Clippers(西4位), @Atlanta(東4位), @Miami(東5位), @Orlando(東11位), @Oklahoma City(西3位)と対戦が続きます。最後の@Oklahoma City Thunder戦は土曜夜の全国放送プライムタイム。つい先日ThunderがWarriorsのホームで熱戦を展開したばかりの相手で、長期ロードの最後にこの相手はさすがにキツい。負けると決まった訳ではないにしても最多勝への星勘定で負けを想定しても良い相手でしょう。それ以外の5戦を勝ち抜けるかどうかの方が記録面では大事と言えそうです。

このオールスター明けロード6連戦を5勝1敗で切り抜ければ、残りは20勝4敗で史上最多勝更新という勘定になる。その24試合の内訳は3月の17試合のうち12試合がホーム、5試合がアウェイ。4月は7試合が予定され5試合がホーム、アウェイが2試合。ここまで今季圧倒的な強みを発揮するホームの試合を全勝したと仮定すると、3月4月のアウェイの7試合のうち3試合を取れば73勝の史上最多勝新記録となるという勘定です。年間通じてホーム全勝という快挙を前提にしているし、オールスター明けのロードも5勝1敗という好意的な想定をしているとは言え、決して無理な数字ではなくなってきていると言えます。

レギュラーシーズン終盤に主力選手の体調メンテでの休養ということも発生するのでなかなか最終局面までは見通せないですが、星勘定だけならオールスター明けのロードの様子次第で見通しが大きく開ける展開もあり得ると言えます。

Super Bowl 50 試合以外の話

今年のSuper Bowl 50は50回目というキリの良さもあって試合前に過去のSuper Bowl MVPを紹介する場面がありました。他界された方を除いて高齢で自宅から画像出演の二名を含めて過去のMVPが次々登場。Super Bowl IIIのMVPであるJoe Namath, IVのMVP Roger StaubachといったSuper Bowlの初期のMVPがいまでも割とTVなどで元気でお目にかかる機会が多いということに気づかされます。Namathなんかは喋りもうまいですし性格的にもエンタテイナーですからTVの側からして使いやすいというのもあるんでしょうが。中盤辺りからはTV解説やCMなどでいまもお馴染みの面々が次々と登場。それに混じって知名度の劣る選手もけっこう混じっているのもおもしろいです。え、これ誰?どの試合の人?っていう人もいました。ほぼ全員が暖かく迎えられたのに、唯一ブーイングを喰ったのがTom Brady。もうすっかり悪役が板に付いてます。本人も馴れてるでしょうし屁とも思っていないでしょう。

そのMVPに今回の会場であるベイエリアの2チーム出身者が多かったのも地元開催っぽさを出した感じでしょうか。San Francisco 49ersからもOakland Raidersからも多数登場。但しSuper Bowlという特殊イベントのため場所はベイエリアでも、お客さんはベイエリアの人はさほど多くなかったようで地元チームのヒーローたちだからといって歓声が圧倒的というようなことはありませんでした。むしろ応援に駆けつけたDenver Broncosのファンの方が数は多かったみたいでDenverのJohn ElwayやTerrell Davisへの歓声の方が大きく聞こえました。コイントスでも地元2チームの出身者が参加。


国歌独唱のLady Gagaは久しぶりに顔を見ました。少し毒気が抜けた感じですか?良いパフォーマンスだったと思います。  

ハーフタイムショーは出演者は前もって知っていましたが、ショー自体を見てあーこういう意味でこの3組の取り合わせだったのかと納得。ビヨンセが女性代表、ブルーノマースが男性代表、Cold Playがゲイ代表、でその融合をアピールということですねー。なるほどなーと。私がアメリカに住み始めて初期の頃にサンフランシスコを旅していて一番最初にびっくりしたのが、そのホテルのテレビチャンネルにゲイのポルノチャンネルがあったことですね。大変びっくりしました。確か男女のストレートのポルノは2チャンネル、ゲイのチャンネルは1チャンネルありました。追加料金とかなくて普通の部屋で。あーそうかー。自分はいまゲイとヒッピーのメッカ=サンフランシスコにいるんだなとつくづく感心したのを思い出しました。最後の3組が肩を組んで歌っているところを見て、最後のスタジアムのBelieve in Loveとかっていう文字を見て、サンフランシスコとはこういうところだったわ…と納得。

その部分は別として単純に音楽・ダンスのショーとしてもうまくカメラが捉えていいプログラムだったんじゃないでしょうか。私の好みの音楽のジャンルじゃないんですけどそれでも十分に楽しめましたしSNSでも評判は良さそうです。こちらも50回記念ということで過去のハーフタイムショーや国歌斉唱のフラッシュバックを交えて、あーこれも見た、これも見たわ〜とかノスタルジックになれました。


あとはCM。昨年は過去最悪のSuper BowlのCM大凶作の年でしたが、今年は佳作が揃っていて普通に面白かったです。過去にあったような大作CMはなかったですが特に前半に軽く笑えるものが多かったような。 試合はターンオーバー続出、スカッとするようなオフェンスのビッグプレーもなく一般にはスッキリ感が足りなかったかもしれませんが、味のある良い試合ではあったかと思いますし、試合以外の部分も小ぎれいにまとまっていて良いSuper Bowlだったなと思えました。

DenverディフェンスがNewton完全蹂躙

素晴らしかったです。Denver BroncosがSuper Bowl 50を24-10で制して、QB Peyton Manningの最後の花道を飾りました。Peyton本人は明言していませんがこれ以上の引退の舞台はあり得ないでしょう。現役最後のプレーとなる3rdダウン後にはPanthersの選手からも祝福の言葉をかけられていましたね。

天気が悪いわけでもないのにこれほどターンオーバー続発する試合は珍しいでしょう。Manning、Cam Newtonともに両軍の強力ディフェンスに追われて苦しい試合でしたが、致命的な自陣深くでのターンオーバー献上がCarolina Panthersの勝利へのチャンスを奪ってしまいました。

DenverディフェンスはNFC優勝戦のNew England Patriots戦でもそうでしたが威力が凄い。Bradyは走れないからという部分があったので、走力のあるCam NewtonならDenverディフェンスの裏をかいて得点できるのではと戦前期待していたんですがまったくそうならず。Cam Newtonのパスの精度が試合を通して悪かったのは明らか。その上、オフェンスのコールもDenverの目先を変えるような変則プレーもなく、無為な1stダウンのラン失敗が重なり、リードオプションも間合いが悪く、かつオフェンスラインがあちらこちらと破られてしまうので効果なし。後半になってNewtonが大きくステップバックすることでなんとか「あと1~2秒」を稼ぐような小手先の策にも行ってみましたが、なにぶん今日はNewtonのパスのコントロールが定まらないのでなんともならず。Camの顔つきも今季過去の試合とは違うものでした。

これほどディフェンスの圧倒的なSuper Bowlチャンプというといつ以来ですか。イメージだとSteel Curtainと言われたアレ以来と言いたくなるような。

試合前には会場地元でアメスポ内の盟友と言えるGolden State WarriorsのShtephen CurryがCarolinaの入場を呼び込む大太鼓を叩いて盛り上げるなどしていたんですが、試合は完敗でした。

EPLはアメスポ風味になりうるのか

英国サッカーEnglish Premier LeagueでLeicester Cityが首位を快走しているのはアメスポファンの皆さんはご存じでしょうか。この土曜日にアウェイで2位のManchester Cityとの首位攻防戦があります。その翌週日曜には同じくアウェイで4位勝ち点5差の対Arsenal戦が予定されており、今季EPLのシンデレラチームとなったLeicesterにとってはシーズンの帰趨を賭けた重要な二連戦となります。まさか今季開幕前にこの二試合がEPLの優勝争いの最重要二連戦になるとは誰も想像しなかったことでしょう。痛快ではあります。以前にも何度か書いてますが私はEPLの下位のチームの試合がけっこう好きでちょこちょこ時間が合えば見ています。昨季も今季序盤もLeicester Cityの試合は何の気なしに見てたんですけど、まさかこんなことになるとは。

なぜにアメスポブログである当ブログがEPLの話をし始めたかというと、EPLの現在の順位表を眺めていてその顔ぶれのここ5年10年での入れ替わりぶりがアメスポっぽいかなあと思ったのでちょっと書いてみたくなったのです。今、上から順にLeicester, Man C, Tottenham, Arsenal, Man U, West Ham, Southampton, Liverpool, Watford, Stoke Cityとなってます。EPLもトップ4が毎年ほぼ同じクラブばかりだったのはそれほど昔の事ではありません。外部資本の注入でMan Cが急にそこへ割って入るようになったのが2010-11シーズン。その直前のLiverpoolの急激な弱体化とセットでトップ4の顔ぶれが変わっただけでも当時は大きな変化のような気がしたもんでしたが、今年の順位と比較したら微々たる変化だったと言えそうです。Leicesterのトップもそうですし、近年力を付けてきていたHotspurも本物っぽい。他方Chelseaが大きく順位を下げてファンを嘆かせていますが、それも含めて順位の変動がアメスポぽいですよね。

ドラフトやFAを通してチームの強化がなされ、強いチームの陣容をサラリーキャップで削るアメスポではシーズンごとの順位の変動は当たり前で、かつてのMLB Atlanta Bravesみたいな常勝チームは珍しい。一方欧州サッカーでは優勝争いをするクラブが毎年毎年同じなのは当たり前。ドラフトもFAもサラリーキャップもありませんから常勝チームが急に負け始めるのも起こりにくいし、外部からの資本注入で急激な戦力整備をすることはあり得ますが、それが起こるのは極僅かな例外のケースについてのみでしょう。どちらが良い悪いではないですが、そういうモノだと思っていたわけですがなぜか今年のEPLの順位はその常識に逆らったものになったのがおもしろいかなと。

そうなったからと言ってEPLがアメリカでよりウケるようになるかというと、ちょっと判りかねます。常勝クラブがいなくなることでの興味の焦点のボケということも起こりえますし、逆にまあまあの好カードが増えるという効果もありうる。少なくともいつ見ても同じチームが勝ってるね…という感想は減っていくのか。

「やられたらやり返せ でも場面を考えろ」

大した話ではないんですがおもしろい解説だなあと思ったので少しだけ。ホッケーNHLのAnaheim Ducks@Los Angeles Kingsの試合を見ていてピリオド間のスタジオ解説で往年の名選手であるJeremy Roenickが語っていたのがホッケーらしいなあ…と。同都市圏内のライバルチーム同士の試合でもあり熱い試合だったわけです。ビジターとなるDucksが先行、3-0とリード。Kingsは主戦ゴーリーであるJohnathan Quickをここで下げて流れを変えようと画策。うまく1点を返して追い上げムードの3-1となったところで問題の場面が発生しました。DucksがKingsのスターであるAnze Kopitarにボディチェックを仕掛けたのに対してKingsの他の選手が突っかかっていった。これがスティックを使っての攻撃クロスチェックと判定されて反則→ペナルティボックス行き。そしてそのパワープレーで4点目を献上して4-1。追い上げムードが途切れてしまった点をRoenickが嘆いていて「試合の流れってもんがあるだろ。あいつを殴るのはもっと後でやればいい」と言うのです。やるなとは言わないんだなあ、と。

この前からエンフォーサの消滅やNHLでの乱闘の減少の話をしてますが、根本的にはやり返すのは当然なのですね。これを野蛮であるとかスポーツらしくないと考えるか、男らしいわぁと思うかはそれぞれの価値観次第ですが、多種多様なスポーツエンタメが提供されるアメスポの価値観の幅の広さはやっぱり良いなと思う瞬間でもあります。

Warriorsの最多勝ペース 二月分の先読み

昨日はついにフットボールのない初の週末でした。Pro Bowlはありましたが、あれはまあ。なんだかんだと寂しいですね。今日からSuper Bowl 50まではスポーツマスコミはSuper Bowl一色になるのでまた気分も盛り返してくることと期待します。

さてNBAの史上最多勝ペースを維持するGolden State Warriorsの二月のスケジュールを読んでみたいと思います。現在Warriorsは48戦44勝4敗。史上最多勝を記録した1995-96Chicago Bullsは同じ48試合時点では43勝5敗でした。Bullsが次に負けた(6敗目)のは54戦目、二月終了時点で50勝6敗でした。

Warriorsの二月のスケジュールはかなり偏っています。28日間で10試合、うち8試合がアウェイとなっています。ホームで絶対的な強みを見せるWarrirosですが、二月でホームで積み重ねられる勝ちは2つ。アウェイは明後日の@Washington、オールスター前に@Phoenix、オールスター休み後にアウェイ6連戦。12月の東へのアウェイ7連戦の最終戦で今季初黒星を喫したように、さすがに長いロードは強いチームにも負担は大きく、二月のロードも無傷とはいかないのかもしれません。特にロード6連戦の最後は@Oklahoma Cityでもあり、OKCの方も手ぐすね引いていることでしょうし。Warriorsは二月末までに58戦を消化予定。95-96Bullsは58試合時点で52勝6敗。Bullsのペースと並んでいるためにはWarriorsはアウェイだらけの二月を8勝2敗で乗り切ることが要求されます。勝っても勝ってもBullsの記録とカツカツって感じです。それだけ72勝というのはとてつもないペースだったのでしょう。


Warriorsは現在東海岸転戦中。週末の@New York Knicks戦では試合開始からダラダラの試合。そこで早々第1Qにタイムアウトを取ったHCのSteve Kerrが激怒して喝を入れ、結局は20点差の勝利を収めています。強いチームでも喝は必要なのでしょう。

1995-96年に72勝を記録したChicago Bullsがシーズン46戦目にそのシーズン唯一の連敗を喫したのですが、実は私、その試合のことを覚えています。いまのWarriorsと似た時点だと言えます。TVで見ていたんですけど試合の最後にHCのPhil Jacksonが怒って試合終了前にロッカーへ引き上げちゃったんですよね。あれはびっくりしました。当時のBullsは強いし成績も良い。その試合の負けを含めても41勝5敗で、断トツです。確かに前戦@Denver、その日@Phoenixと西の弱い相手に続けて当時のBullsの標準ではふがいない試合をしたのでしょうが、それでも試合終了前にベンチを蹴って帰ってしまうほど酷いのか?といぶかしく思ったのをよく覚えているのです。

後から考えればそういうPhilの尽きぬ情熱と叱咤があったから他のどんなチームも達成できなかった72勝を積み上げられたのかとは思いますが。そしてその当時のBullsのメンバーに今のWarriros HC Steve Kerrも選手として在籍していたわけです。つまり史上最高ペースで勝ちまくっているのになおHCから怒られてしまう経験をしているのがKerrというわけです。その72勝を超えようかというペースのWarriorsを叱咤できるのは実際に72勝を経験したKerrだからこそか、とも思います。

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