アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

女子版International Champions Cup@Hard Rock Stadium

男子の方は既に6年目に入ったサッカーInternational Champions Cupですが、今年からは女子版もできていたんですね。4クラブによる初のWomen's International Champions CupがMiamiで準決勝・決勝とも開催されています。
出場チームはNWSLのNorth Carolina Courageが昨季2017年のレギュラーシーズン王者としての資格で出場。フランスからLyonとParis Saint-Germain、英国からManchester Cityが参加してのトーナメントで、各チームが二試合を戦う形式。決勝はESPN2で放映していました。会場はお馴染みのHard Rock Stadium。ガラガラほぼ空の状態での興行になってます。夏場のマイアミで女子サッカー。ビジターはフランスと英国のチーム。うーん。お客さんが入りそうな気がしません。なぜこの企画で収容約65,000人の大箱のHard Rock Stadiumを2日も使うことにしたんでしょうか。損得無視で男女同待遇アピールでしょうか。あまりにもガラガラ過ぎて選手が気の毒な感じすらします。

実は現在女子サッカーは2018 Tournament of Nationsも米国内で開催中です。こちらは国代表同士の大会。ホスト米代表に加えてオーストラリア、ブラジル、日本の4カ国での総当たりの形式。昨年2017年が初年度で、今年は二回目。
昨年はオーストラリアが対米代表を含め3戦全勝で優勝を遂げてます。米女子代表がオーストラリア代表に敗戦したのは昨年の同大会が初。過去圧倒的な強さで人気を得てきた米女子代表がホームで過去負け無しの相手に負けるほど各国の力が接近してきていることを認識させた昨年でした。

それを受けた今年、今日第2戦で対戦した米 x  オーストラリア戦はまたも米代表大苦戦。90分になんとか同点ゴールを決めて辛くも1-1の引分に持ち込んだものの、昨年の借りを返すことには失敗。昨年の勝利でオーストラリアが自信を持ってしまって引いてくれないし、昔のように米代表が高圧的に主導権を握るような試合はできなくなってます。大会優勝は次週の一戦を残して米代表がタイブレーカーを握っており自力での初優勝が見込めますが、来年の女子W杯を見通すとまだまだ今大会後も苦労しそうであります。
今年のTournament of NationsはMLSの収容20,000人前後のスタジアムを使って開催してます(UConnのフットボールスタジアムは少し大きいですが)。一時期よりは落ちたものの米女子代表人気もあるので概ねスタジアムは埋まってます。昨年はNFLスタジアムを使用して開催してかなり空き席が目立ちました。今年のこれが現在の米女子代表の動員能力に適正の会場規模だと思いますし、これぐらいだと雰囲気も悪くない。この記事の前半の話を蒸し返しますがそれに対して一体女子版ICCの方の65,000人収容の大会場使用はなんだったんでしょうか。二戦ともにマイアミ開催=試合の合間にマイアミビーチでのバカンス込とでも言って参加クラブを勧誘でもしたんでしょうか。

TBTの連中もNBA復帰を狙っている

The Basketball Tournament (TBT)の16強戦が行われています。これはカレッジバスケの元スターを集めて出身校を思わせる名前をチーム名として、カレッジバスケのシニアツアー的なものでもあります。出身校の選手だけでは戦力の揃わない小カレッジの寄せ集めチームも多くなり、参加チーム数は昨年の64から72チームへ。優勝賞金は$2 Million。一攫千金狙いの賞金マッチの様相なのは先日ご紹介したフラッグフットボールのNFFLに通ずるものがあるか。
スケジュール的にはバスケの夏侵攻の最後尾に位置すると言えましょう。もう来週にはNFLのプレシーズンゲームも始まりますので、TBTや同じく開催中の3人制バスケBig 3をバスケシーズン内として認識すると、バスケからフットボールへの隙間がまるでないことになります。

シニアツアーのようなものだと言いましたが、参加選手の思惑は賞金だけでもないようです。まだ20代の元NBA選手、G League崩れとなった選手たち、海外リーグでプロ活動を続けている選手も参加している。G Leagueに採用されて捲土重来を期したい選手、Summer Leagueには年齢面で呼ばれなかったがまだできるという選手、海外ではNBA関係者に見てもらえる機会がなく米国内でのアピールの場としても生きている模様。それもカレッジ時代にスター選手として組んだチームメイトとの連携で
馴れ親しんだプレーで活躍、プロでは力を出しきれなかった選手も活躍中。NBAのスカウトも来ています。


別の話題ですが今季からTBTが
Elam Endingを採用したのも注目でしょう。将来NBAやNCAAで採用される可能性を取り沙汰されている決着方式です。
試合時間が4分を切った時点から、次の時計が止まった時点(ファール、タイムアウト、アウトバウンズ、その他)からゲームクロックが消されます。そこからはショットクロックのみ。リードしているチームのその時点のスコアに7点を加えたスコアが勝利ターゲットスコアとなり、そこに先にたどり着いた方が勝ちとなる方式、というのが私の基本理解です。
例えば3分半残りで試合が止まって80-70なら、ターゲットは87点。80-50でも87点です。87点に先にたどり着いた方が勝ち。たまたま終盤に試合が止まらず残り1分でやっと止まって90−89だとターゲットは97点。実質試合時間が伸びることになります。
Elam endingの利点は追う方はファールゲームをする必要がないところ。普通に攻めて守れる、ということらしいです。接戦の試合のエンドゲームをまだTBTで見かけていないのでどうなるのか本当のところは理解がいっていないのですが、まあとにかくそういう実験的なことを今大会ではやってるようです。なおElam Endingを採用すると延長戦がなくなります。

延長戦に関してはNBA Summer Leagueが2分の延長戦を採用していて、NBAの5分延長よりも緊迫感が高くてなかなか良かったというのもありました。アメスポの中で絶好調のバスケですが、まだまだ試合を良いものにしようという努力がなされているのが頼もしい感じです。

セイバーメトリクスで見直されて殿堂入り

Alan Trammellが野球の殿堂入りするという記事を見ました。正直この方を知らなかったです。Detroit Tigers一筋で20年のキャリアを過ごした。守備は主にショート。打率.285 ホームラン185本 打点1003 通算安打2365。打撃成績で目立ったところはありません。オールスター6度 World Series MVPを1984年に獲得したのがたぶんキャリアとして最も輝かしかった瞬間の選手と言えそう。殿堂入りの投票(75%以上で当選)では資格最終年度に40%に届かず、投票の対象から外れた方です。

そのTrammellがなぜ今になって殿堂入りするかというと、彼のキャリア成績をWAR(Wins Above Replacement)で示すと70.7という大変高い値が出るから、というのものです。過去のMLB全選手のWARをランク付けしたページによれば現時点でTrammellは93位。Trammellより下に新旧多々の殿堂入り選手・殿堂入り確実な選手たちなどの名前が並びます。目立つところを挙げると同じ遊撃手だったBarry Larkin、Scott Rolen、Gary Carter、Carlos Beltran、Tim Raines、Manny Ramirez、現役Miguel Cabrera、Tony Gwynn、John Smoltz、Eddie Murray、Ivan Rodriguez、Carlton Fisk、Edgar Martinez、Kenny Lofton、Robinson Cano、など。これらの名選手以上のWARを通算20年で達成したその実績が見直されての殿堂入りというわけです。
WARという概念は彼の現役中には存在しなかったのが、後年になって新しい評価方法が確立してこのような再評価を受けられたというのは不思議な旅という感じであります。事細かにデータでその成績が残る野球ならではの事態と言えましょう。

ちなみにTrammellよりかなりWARランクで下になるEdgar Martinezは今年の殿堂投票で70.4%まで得票を上げてきており次点、もう一息。来季が10年目で投票対象有資格での最後の挑戦になります。届くか。DHだったことが最後まで響いて届かずか。
今回Trammellが当選して、もし来季の最終挑戦でEdgerが殿堂入りに届くと、その次はKenny Loftonが救済対象になっていくのかもしれません。Loftonは現役当時個人的にお気に入りの選手だったので再評価されることがあるなら嬉しいところ。2013年に資格対象となり初年度に得票3.2%で翌年の投票対象から除外(5%未満)となっています。Lofton自身は自分の現役キャリアがステロイド全盛期にかぶったことが自己の評価を相対的に下げられたと落選後悔しい心の内を吐露していたことがありました。

MLB中止の裏でサッカー大量放送

前項で書いたESPNが中継していたMLB Wednesday Night Baseballが雨天で中断になっていたその裏で同系列の他のチャンネルが何を放送していたかというとこれが全部サッカーでした。International Champions Cup(ICC、欧州の有力チームのプレシーズンマッチを5年前から組織化したもの)の試合をESPN2、ESPNEWS、ESPNUで同時刻に放送。計5試合をESPN系列のサブの3チャンネルで放映。1試合だけICCの放送をしたESPNUはICCの試合の次にアメリカ二部であるUSLの試合を放送とサッカー三昧な番組編成になっていました。こんなにサッカーを一気に一夜に詰め込んだ編成は見た記憶がないです。
この水曜夜はアメリカ一部であるMLSも週中の試合を3試合開催していましたがこれは一般のチャンネルでは放送がなく、USLと欧州クラブの試合でESPN系列サブチャンネルを占拠。MLSの試合にはアメリカに来てまだ間もないWayne Rooneyの所属するDC Unitedの試合もありましたが、これはスポーツニュースSports Centerでもスルーされてました。

この推し具合はどうなんですかね。ESPNはこの春に二部USLとの放映権契約を来年2019年まで延長しています。MLSの放映権もESPNは維持(2022年まで)していますが、ESPNがMLSとの次期放映権契約での主導権を確保するためにUSLへの肩入れ養育をし始めたというふうに読むべきでしょうか。アメリカサッカーの二部指定は近年目まぐるしく変わっており、昨年まで二部扱いだったNASLには例のNew York CosmosやMiami FCが所属してますが今年は二部指定を解除されている。CosmosやMiami FCの会長はアンチMLSの急先鋒とも言うべき象徴的存在です。がNASLはメンバーチームの減少などでそれ自身にビジネス上の勢いが落ちている。逆に三部から二部に昇格(入れ替わりでなくNASLと二部が複数であった時期あり)した形のUSLがNASL脱退チームなどの受け皿となっているのですが、そちらはスポーツメディア最大手のESPNからの資金の下支えで当面の経営は大丈夫という形になってます。NASLは潰れる運命なのか。そうなるとアンチMLS陣営のCosmosやMiami FCはアメリカサッカー界からパージされたことになるのか。チームとして存続するためにはUSLに加入して膝を屈するのか。

ESPN系列がMLSを牽制する理由という文脈で考えると、夏のICCや、欧州CLなどの他のサッカー放送にESPN系列が大きく舵を切って、創設以来支えてきたMLS放送を切った後のサッカーの年間放送メニューの準備を進めているようにも見えます。MLSは動員力では立派な人数を出せるようになったのですが、こと視聴率だとどうにも伸びない。しかしながらMLS側の鼻息は荒く、次期放映契約交渉でも強気に臨んでくる可能性が指摘できます。それを見越して迂回ルートを模索中というところでしょうか。

また雨で試合中止

ESPNのMLB定時放送のWednesday Night Baseballが試合途中で雨天中止となり、これで日曜日のNew York市内対決に続いてESPNのレギュラー放送が二試合とも流れてMLBの試合の中継がなくなりました。日曜日の試合中止決定までも粘ったのですが、今日も午後10時近くまで試合中止の最終決定がずれ込み。試合は開始されてビジターのBoston Red Soxが5−0でリードしたのですが2回で中止決定。これでMookie Bettsが打った今季25本目のホームランも幻と消えました。
これまであまり大きな問題とは思っていなかった興行としての野球の雨天での弱さはMLBの将来を考えるとそこそこ問題なのかなと思わされる全国放送の二試合連続消滅です。

一方ドーム球場で行われたNew York Yankees@Tampa Bay Rays戦でおもしろいことがあったみたいですね。RaysのクローザーSergio Romoが8回表一死で投入されてその回は締めたのですが、9回表にRaysは別のリリーフ投手を投入、Romoをサードベースの守備に廻したのです。つまりRomoに5死を任せるのを躊躇ったというわけです。Yankeesの左打者に対する極端なシフトで二塁ベースより左に一人だけになるサードに投手を入れる。どうするのかなとなったら打者が三塁側にバント、これが内野安打に。あれはRomoが守っていなくても内野安打になった打球ですが。一死後にRomoを投手に戻してそこからも投手前のゴロをRomoが勇んで取りに行ったけどダメとか少々ぐだぐだしたのですが、なんとかRomoが投げ切ってRaysが勝ってます。
これに似たケースはMLBでは1991年以来だとか。Romoの投手としての負担軽減とか、または契約上5アウトのリリーフはさせられないとか事情があったのかもしれませんが、でもしかしなぜサードをやらせたんですかね?外野レフトなら攻めるYankees側も狙い撃ちはできなかったと思いますが。
おもしろいのは各メディアのBox Scoreが投手の二度登板という事態に対応できなくて、Romoが最後に登板していないように見える状態になっていること。最後に投げた投手ではない投手にセーブが付いたように見える形になってます。

地元メディアがBelichickに玉砕覚悟の取材

NFLのキャンプが始まる時期となりました。契約でモメた選手がキャンプに参加するかしないか、昨季全休したIndianapolis ColtsのQB Andrew Luckの復帰見通しなどの話題もありますが、一番私的にウケたのがボストンの地元メディアがNew England PatriotsのHC Bill Belichickに食い下がって質問した件です。
昨季のSuper Bowlでディフェンスの要の一人だったMalcom Butlerがディフェンスでの出場を許されずスペシャルチームでのみ出場。サイドラインで悔し涙を流すButlerとそれを慰める僚友。試合は接戦の末Patriotsが敗れたことからなぜBulterを出場させなかったのか、出場させていたら勝っていたのではないのか、Super Bowlの勝利を投げ出してまで課さなくてはならないペナルティとはなんなのか、とファン・非ファンを巻き込んでかなりの議論となりました。
この件については試合の当夜だったか翌朝だったかにButler本人が僅かに泣き言を記者に話したものの具体的な理由には触れず、さらに翌日にはButlerが泣き言を言ったことについて公式に謝罪し、それ以降は本人も完全に沈黙。その後移籍が決まったときもPatriotsに深く感謝の弁を述べて静かに退団していきました。
Butler以外からは一切情報が漏れてこなかった。そのため憶測を呼んできた問題ではありました。2018年新シーズンが始まる段階がたぶん最後の直接取材のチャンスだと踏んで地元メディアが腹を括ってこの話題をBelichickにぶつけたのでしょう。Belichickの返事は「2018年シーズンに集中している。過去のことは話さない」とまあ想像できる返事。しかし地元メディアは事前に粘りまくると決めてきていたのでしょう、4度ぐらいかな、ほぼ同じ質問を繰り返し(ちょっとした記者マナー違反でしょう)、その度にBelichickは不機嫌になるでもなく同じように返答して一切のヒントを与えず記者会見をこなしました。

この時点で地元メディアがここまで(漏らす見込みの極薄い)Belichickに食い下がったということは、オフシーズンに敢行したであろう他の選手や上層部から末端までの関係者、退団者、ひょっとしたらButlerの家族への取材がことごとく失敗したということなのでしょうね。特にBelichickの支配下にはないオーナーなども一切不満も情報も漏らさなかったというのはすごいかなと。この統制の凄さは組織の強さを表しており、Butlerの出場の是非とは別に、継続的に強いチームは違うなと感じさせてくれます。
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