アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

遠因があっての失点 Bruins Game7を制す

NHL Stanley Cupプレーオフ東一回戦最終決着第7戦 Toronto Maple Leafs@Boston Bruins戦がありました。この両チームによるGame 7は7年で三度目。2012-13シーズン、昨季、そして今季。そしてすべてBoston Bruinsに軍配があがってます。その合間の3シーズンはMaple Leafsはプレーオフに出場できていなかったりで、イメージ的には近年は常に毎度良いところまで行きながらBruinsに敗れてシーズンエンドというぐあいになってます。
NHLのプレーオフ形式が変わって地区内チーム同士が一回戦に頻繁に当たる形式になっていることもありこういう形での因縁が演出されていると言えましょう。プレーオフ形式の変更は成功だったと言えるのでしょうね。

この日の最終スコアは最後に得点差が開いて5−1。第1ピリオドMaple Leafsが試合開始から15分間押しまくりながらゴールを得られなかったのが、猛攻を耐えきったBruinsが立て続けに2ゴールを得て結果的にはそのリードを保ったまま勝利。

ここで問題にしたいのが最初のゴール。
直接の失点の理由はMaple LeafsのG Frederik Andersenがニアポストを固める際、表向きになっていたグラブの掌根本に叩き込まれたショットがグラブの手首側に漏れてわきの下を通過してゴールというシーンでした。これ自体もゴーリーのミスとされてます。その辺のゴーリーの細かい技術的なことはわからないですが。その直前のLeafsのゴール前にいた選手もパックに先に触れる機会があったのに反応が悪かった。

しかし問題にしたいのはそれより前の部分です。上述の通り試合はMaple Leafsが押しまくっていた。Leafsの攻撃からBruinsがパックを奪い返して、たぶん2-on-3での速攻になり、パックはゆるくゴーリーのところへ流れてきたのですが、これをFrederik Andersenは一旦受けたもののそのまま流してプレー継続を選択。Bruinsの選手はもう近くまで来ていたのでこの判断は珍しい。
結果的にはこのパックが一度もMaple Leafs陣から出ないままで先制ゴールになったのです。Andersenが流したパックをLeafsがゴールライン下で苦労しながらも回してLeafsの23番がクリア‥しようとしたのがブルーラインでカットされてBruinsの攻撃継続。そして先制ゴールへつながりました。クリアミスを犯した23番の選手はD Travis Dermott22歳、サラリーで言うとチーム内下から数えた方が良い選手。個人的にはまったく知らない選手ですね。Maple Leafsのような辛辣なファンの多いチームだとこのミスは後からボロカスに言われてしまうのかなと思われます。

疑問なのはなぜG Andersenが最初のパック処理でプレー継続を選択したのかです。0−0、Game 7、攻勢の第1ピリオド。無理をする理由はない状況でした。
個人的な推測は、Andersenは自陣内でのフェイスオフを嫌った。その嫌った理由が事前にAndersenの頭に入っていたスタッツだったんじゃないか、というものです。

今シリーズ第4〜第6戦の三試合でBoston BruinsのPatrice Bergeronがフェイスオフでのパック取得率が73%と圧倒的スタッツを残していたのが実はこのゴールにつながったんじゃないかと。
フェイスオフはどんな名手がやっても70%を超える取得率なんていうのは異常です。60%超えだって何十回もフェイスオフをしていればなかなかあるものではありません。Bergeronは今季ポストシーズン7試合合計で61.6%の取得率。今ポストシーズンで100回以上フェイスオフに臨んでBergeronに次ぐ高取得率なのはCarolina HurricanesのJordan Staalの54.9%。73%というBergeronの直近の驚異的なフェイスオフの数字がゴーリーの頭の中にあって普段なら危険を犯さないはずのプレーでキャッチ(=自陣内のフェイスオフ=73%獲られる、と頭の中で変換)せずプレー継続をさせたんじゃないかな、という推測なんですがどうでしょうか。

状況を以上説明した通り、Leafsの選手たちは攻撃をしていたところから速攻を受けて自陣にダッシュで戻りさらに守備が続いて長いシフトとなってかなり苦しかったんじゃあなかったかとも思われます。交代の暇もなかった。最後のゴールに至る辺りではLeafsの選手の反応はかなり悪くなっていた。Andersenが試合をあそこで切っていれば起きなかったことが起こってしまった、という感じでしょうか。

Unwritten Ruleの廃止

"Don't stop and stare. Don't flip your bat. Respect the jersey...."
これ、MLB公式が昨年のポストシーズンから流しているTVコマーシャルです。今年も試合中継の合間に盛んに流されています。リンク先のビデオを見ていただくとわかりますが、立ち止まってボールの行方を見るなバットをわざと投げるななどなど音声で言っていることと反対のことを選手たちがバンバンやっている場面を写してます。そして最後にKen Griffy Jr.が”No more talk. Let the kids play”と締めるこのCM。
これ、つまりは野球のUnwritten Ruleの廃止を訴えるものです。これをMLB公式が作成して昨年から流し続けているというところに意味があります。

この話には伏線がありました。数年前にAtlanta Bravesの有望プロスペクトの選手のユニフォームの着こなしが悪いということで議論があった時期があったのです。当のマイナーリーグ選手がそれに真正面から反発したのでニュースネタになった小事件でした。アメリカ人黒人選手だったかと思います。名前を忘れてしまいました。意訳すると曰く野球は小うるさい不文律が多すぎる、バスケと違って自由がない、と。

それと時を同じくするようにメジャーで派手なbat flipが多くなった。たぶん転機はJose Bautistaの2015年ALDSでの熱戦を制したこの一打だったでしょう。このときのbat flip=バットの放り投げパフォーマンスは試合も熱い試合、熱い場面だったこともあって注目されました。私も見てましたけど大変盛り上がりました。当然のように伝統派からは批判の意見も出たのですが、翌年以降もいくつもの思い出深いbat flipの場面が再現されたのでした。
そしてBautistaの決勝ホームランから3年後にMLB本営がBat flipを公認したのが冒頭に紹介したTVコマーシャルであったと。

MLBがその商品である試合のエンタメ度の向上に(改革スピードは遅いながら)取り組んでいることは当ブログでも過去何度も触れているところ。多くの議論は試合のペースアップや、インプレー率、投打の優劣バランスなど試合の中身の話なわけですが、それとは別に試合にもっと現代にあった活力を注入するために長い伝統であったUnwritten Ruleの歴史を変えて、ストレートな感情をほとばしらせるような表現をMLBに導入しようと啓蒙しているのがこのコマーシャルなんですね。

何のジャンルでも保守派というのはいるもので、保守派の熱心なMLBファンもMLBにとっては大事なお客様なのは間違いがないです。ファンの年齢層が比較的高いMLBに於いては保守派の割合も高い可能性がある。また各地ローカル放送の解説者にも保守派は多く、bat flipに否定的な見解を延々試合中に述べたりという場面もしばしば。
そういうのを承知の上で選手たち(コマーシャル内ではKidsと呼んでますが)にもっと表現の自由を与えよと主張している、そしてそれがMLB公式の見解なのだ、というところが重要です。

さらに言うとこの啓蒙CMはこの視点を少年野球にも適用して欲しいとMLBは考えているんではないかな、とも思います。 Let the kids playのKidsとはMLBの選手たちだけではなく、少年野球に入ってくる子たちにも古い野球の因習を強要することよりも、楽しんで騒いで良いのだと草の根指導者たちにも訴えてるのかな、とも聞こえます。
他のスポーツとの人材の取り合いをしなくてはいけない中、野球だけが子どもたちにアレもだめコレもだめなど言ってる場合ではないという意味でもあるように感じます。

PPVをESPNが売る場合のメリット

昨夜のボクシングPPVですが、翌日=今日のESPNのSports Centerで試合をビデオを見せて報道していました。ダウンシーンも含めてまずまず流れのわかる内容の報道。
過去格闘技のPPVの試合は放映権の都合もあって静止画または画像なしで試合の報道を余儀なくされていたのが、放映権をESPNが持ってるのでSports Centerで自由に流すことが可能になったわけですね。これは消費者側にとっては大きなメリットと言えましょう。

14年ぶりのESPNによるPPV

今夜ボクシングTerence Crawford対Amir Khan のWBOウェルター級タイトルマッチが行われます。Crawfordはパウンドforパウンドで現在最強ともされる選手でボクシングファンには注目の試合。場所はニューヨークMadison Square Gradenで。

この試合の放送はESPNの制作で同社としては14年ぶりのボクシングのPPVイベントなんだそうです。ボクシングは強い選手の試合はPPVでしか見られないので蛸壺化が激しく、いくらPound-for-poundのベストだと言っても一般の知名度はほとんどないに等しい。

この試合をESPNはSports Centerで連日取り上げるなどしてバックアップしてますが、どんな売上の数字が出るのかが楽しみです。Sports Center自体のアメスポにおける発信力が14年前からは大きく低下しているはずで、どんなもんか。裏番組にはNBAおよびNHLのプレーオフ一回戦、MLBのレギュラーシーズンシーズンの試合が各地で展開するので視聴者争奪の強敵はいないですが難敵は多数という感じですか。

Raidersのレイムダック最終章

NFLが2019年シーズンのスケジュールを発表してます。Baker Mayfieldを得たCleveland Brownsがプライムタイムの全国放送に4試合も登場するという厚遇を受けたりしてますね。

西ではOakland Raidersが現在のホームでの最後のシーズンを迎えます。今季を最後にLas Vegasへ移転することになってます。そのスケジュールがまたなんとも。AFC西地区に所属するRaidersですが、同地区との対戦3試合のうち開幕週にDenver Broncos、第2週にKansas City Chiefsをホームに迎えてシーズンをスタート。@Oaklandでの最後の地区ライバル戦は11月7日にLos Angeles Chargersを迎えての木曜夜の全国放送。このChargers戦を終わると残りのホームゲームは対Bengals、対Titans、対Jaguarsと人気チームとは言い難い相手と戦ってOaklandでの歴史を閉じるということになりました。これはものすごいガラガラのスタジアムでお別れになりそうです。

なんとも寂しいスケジュールかなあと思いました。移転が確定した状態でのシーズンがガラガラになるのは過去にも例があります。Los Angeles RamsがSt. Louis移転したときもそうでしたし、Houston OilersがTennesseeに移転するとなったときの最後のHoustonでのシーズンもひどかった。そういう過去の例があるので近年のNFLの移転は転居先のスタジアムができあがっていなくても無理にでも移転先に近いところでカレッジやMLSのスタジアムを間借りしてでもさっさと移転してしまうことが多いです。Houston Oilersのときなどはあまりの入りのひどさにもう一年Houstonに居残るのを避けて確かギリギリになってから(移転先でもない、同州内ですが新本拠から全然遠い)Memphisに行って1シーズン過ごしたと思います。そこまでしてでも元の地元で無関心にさらされるよりマシということだったかと。
Raidersもカレッジのスタジアムを間借りしてLas Vegasに1年前倒しして移転という選択肢もあったはずですがそうはならず。現在建設中の新美麗ドームスタジアムの新スタ効果とともに新都市に登場して新しい地元のファンをあっと言わせたいのでしょうか。

その上今回発表されたスケジュールだと馴染みの地区ライバル戦はシーズン序盤に消化して、その後はどうせ不人気チーム相手だしレイムダックシーズンでガラガラなんだからという投げやりなホームスケジュールにも見えます。
他方AFC西地区内のアウェイでの試合は3試合とも12月に集中しているといういびつな形にもなってます。これ、大丈夫なんですかね?Raidersの背広組の心は既に2020年シーズンの新天地でのシーズンに飛んでいるのは仕方ないとして、選手たちやコーチ陣は試合はまともにできるんでしょうか。3試合も地区優勝争いに関わるであろう試合をシーズン終盤にもってきて、Raidersが全然やる気ない状態だったら酷い地区優勝争いになったりしないんでしょうか。

たぶん今季のRaidersのホーム@Oakland–Alameda County Coliseumでの試合はNFLが野球場で公式戦をする最後の機会になると思われます。9月はまだMLBもシーズン中なので例の芝生がMLB仕様になった状態の上で試合をする、あの風景になるわけです。ああいうのは少し前ならいくつか各地で例があったんですが移転や新スタジアムの建設で姿を消しつつあり、今年の9月序盤の2試合(もしOakland Athleticsがポストシーズンを勝ち進めば10月のBears戦も、かな)で見納めになるかと思います。続きを読む

B/R Liveの宣伝で室内ラクロスに言及

B/R LiveというのはBleacher Reportブランド下で展開されているウェブストリーミングのスポーツ局です。昨年放送を開始したばかりの新参です。
そこが今日のTNTで放送されていたNBAのプレーオフの試合の最中の宣伝で気になることを言ってました。実況のベテランアナウンサーMarv Albertさんが読み上げてたんですが「B/R Liveで UEFA Champions League、UEFA Europa League、NLLをライブで配信」云々。AlbertさんはEuropa Leagueをご存知なかったようで読めずに詰まったりしてました。

私がひっかかったのはそこではなくNLLの方です。NLLと読み上げただけでそれがNational Lacrosse Leagueであるとは注釈をつけなかったので、知らない方だとNLLが何の放送なのかわからない言い方でした。欧州サッカーはともかく、その次に来るのがNLLなのか、と。

National Lacrosse Leagueは室内ラクロスのプロリーグです。ラクロスのプロリーグとしては野外ラクロスよりも結成は先行して1987年から活動を続け今季が33年目と長い活動実績があります。現在アメリカ・カナダにまたがる11チーム(うち在カナダ4チーム)でのリーグ戦+プレーオフ。今季2チーム増加、来季にさらに2チーム(カナダ1チーム)追加参戦予定。

NLLはしばしば自らを宣伝する売り文句として「世界で3番目の平均動員実績を持つ室内プロスポーツリーグ」ということを言います。バスケNBA、ホッケーNHLに次いで、世界を見渡してNLLより動員ができる室内スポーツのプロリーグはないというのです。
昨季実績でNLLの平均動員は9,411人とされ世界3位(NBA/NHLはそれぞれ14,000人以上)。4位以下のArena Football League、バスケEuroLeague、女子バスケWNBA、スイスアイスホッケーNationalliga A、Philippine Basketball Associationなどを抑えて3位なのは事実のようです。ここまでで名前の出ていない知名度のあるところでホッケーのKHLはどうも大都市と地方都市の動員の差が大きく平均値だと上記の各リーグの他、スペインのバスケ、ドイツのホッケーも下回るということらしいです。なかなかおもしろい。平均動員を基準にした序列だとアイスホッケーでKHLは世界第4位のリーグというわけですね。

そういう具合で他国のプロスポーツと比較すると立派な動員を達成しているNLLですが、アメリカ国内での一般の知名度はかなり落ちる。チームのある地元都市だとまた違うのでしょうがそうでもないとほぼ見えない存在だったはず。大手局での全国放送はありませんでした(カナダは存じません)。地元局での放送がほとんど。プロスポーツリーグとしてはNLLより後発の野外ラクロスのMLLや、サッカーのMLSにもその存在感では抜かれていた。
そのNLLがB/R Liveと放送契約を結んだ。それだけではなく番宣で名前を3番目に呼ばれてしまうほどのコンテンツとしての待遇になっている、というのに私は反応したわけです。

4大メジャースポーツや、その下の二番手プロスポーツ、カレッジスポーツなどは既に先行したスポーツ局各陣営に放映権をがっちり押さえられており後発のB/R Liveがすぐに手をつけられるところがほとんどなかったから、というのが一番の理由ではあることは簡単に想像できますが、それにしても数秒程度の短い番宣でわざわざ言及するほどなんだというのは意外でした。
上述したとおりNLLは今年2チーム来季2チームとリーグ拡張中。多局化が大きく進行したこともあり過去10年ほどのアメスポ各ジャンルの放映権価格は高騰の一方でした。ここ数年は多局化はさすがに一段落したところですが、そこへYouTube TV、B/R Liveといった新興のネット配信企業が入ってきたことでさらにマイナーアメスポジャンルへも放映権バブルの恩恵が回ってきた、NLLがその受益者として登場したことになるんでしょう。それとの相乗効果でリーグも拡張中と。
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