アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

W杯その後 祝勝ツアー 男女同報酬問題

サッカー女子代表がW杯で優勝した余勢をかって8〜10月に5試合の全米ツアー興行をすることが発表されています。但し初戦を収容9万人余のRose Bowlで開催すると発表した以外の4試合は開催日は決まっています(TV局側の都合上)が開催地がなかなか発表にならなず、各地のファンがやきもきという状態になってます。

前回2015年カナダ大会での優勝時には同じように優勝後にVictory Tour 6試合を開催。当時の開催地はPittsburgh、Chattanooga、Detroit、Birmingham, AL、Seattle、Orlando。開催時期がアメスポジャンル1位&2位のNFLとカレッジフットボールのシーズンにかぶるのもあって、開催地はそれを避けた感のある都市名が並んでます。
体感的に言って今年2019年大会での国内での盛り上がりは2015年よりかなり上だったように思えるので、ひょっとしたら思い切ってフットボールに勝負を臨むような意欲的な興行を模索しているのかもしれませんが、同時にシーズンがかぶるので大箱のスタジアムの手当に苦戦している可能性もあります。日程だけは先に決まっているだけに柔軟なスケジュールは組みにくいですし。

うがった見方をすると女子代表が米サッカー協会とモメている代表選手への待遇闘争への反感もあって積極的には貸してくれないスタジアムもあるのかも。南部であるとかMLSのスタジアムとかだと絶対にないとは言えないような気もします。


そのEqual Pay男女報酬格差是正の問題ですが、大会終了直後にはMegan RapinoeやAlex Morganはマスコミに多く露出してやんわりとその主張を繰り広げていました(例1)。おおむねクリーンに勝ってしまったので彼女たちは余裕、あまり強く口に出してこの問題の主張をする必要がないんですね。人気トークショーのホストが「どうして同等の報酬を受取るべきだと主張してるんですか?男子は弱いんだから女子の方がもっと報酬もらうべきなんじゃないの?」などと勝手に話を盛り上げてくれたりするわけです。深夜のトークショーや、朝の定番番組など非スポーツファンでない人が見る番組に多く登場して問題提起をできているのもおいしいところでしょう。

反面防戦側のサッカー協会の方はどうもセンスが悪いです。この流れではほぼ男子代表と同等かはともかく、大幅な女子選手の報酬アップを受け入れなくてはいけなくなるのは避けがたいように見受けますが、サッカー協会長はこのタイミングでもまだスピーチで渋って待遇改善策について予防線を張ってるのが目立つ。男女間の協会内のパワーバランスなど様々事情はあるんでしょうが、対外的なイメージ戦略という意味では思い切って決断しちゃった方が良いんじゃないのかなとも思いますが。勢いのあるいま妥結すると振りなのでほとぼりが冷めるまで放置するつもりか。来年は五輪もありますから引き伸ばし策はあまり有効ではないような気がしますがどうか。

女子代表の方が余裕でその主張を浸透させつつある中、男子側は完全にだんまり。黙らざるを得ない。女子W杯と平行して開催されていた男子代表が出場したCONCACAF Gold Cup。決勝は4大会ぶりにメキシコ対米代表の最も視聴者を集める可能性のある決勝戦のカードとなりました。女子W杯の決勝と同日の夜の試合だったのですがこちらの視聴者数は152万人。
女子決勝の方は既報の通り1427万人。女子決勝は昨年の男子W杯の決勝以上の視聴者数を集めており、Gold Cup程度ではベストカードでもまったく太刀打ちできませんでした。ちなみにGold Cupの優勝はメキシコ。

女子W杯とGold Cup(および南米Copa America)が同時期に開催されることについてはMegan Rapinoeがサッカーファンの興味が分散する(言外に女子W杯への興味を削ぐために重ねてきた、FIFAの陰謀じゃないか)と事前に文句を言っていたのですが、こと米国内に関してはGold Cupが女子W杯に影響した可能性はほとんどないと言って良いのでしょう。どちらかというと女子W杯試合放映中にその晩のGold Cupの試合を大会期間中ずっと宣伝できた(両者ともにFOX系列での放送)男子Gold Cup側により恩恵があったかと思われます。
その上で女子側完勝なのですから、結果的にはその人気の差を見せつけることができてGold Cupと同時開催だったのは米女子代表に有利に働いたことになります。

MLBはトレード期限 出物が足りないかも

ポストシーズンの鬼 Madison BumgarnerをNew York Yankees、Houston Astrosなどコンテンダーの複数チームがトレード期限前に獲得しようと画策中とされます。交換条件は各チームのプロスペクト選手との交換。正直言ってそれらの交換相手の選手のことがさっぱりわかりませんのでどこがBumgarnerを獲得できそうなのかは予想もできませんが、Bumgarnerは既にGiantsでWorld Series制覇も達成していることから他のリングに飢えているベテラン投手とは若干違う尺度で行き先を考えている可能性がありそうです。

それはともかく現在のNational Leagueの順位表を見ているとGiantsはまだポストシーズンを諦める位置ではないというところが気になります。本日試合の始まる前の段階でSan Francisco GiantsはNL15チーム中の11位なのですが、しかしながらワイルドカード2チーム目までわずか3ゲーム差。数日前は15チーム中13位だったんですが3連勝して順位が上がりました。NLは大混戦で、ポストシーズン脱落と確実に言えるのは15位最下位のMiami Marlinsだけ。14位のNew York Metsをトレード期限の草刈場のように表現しているMLBマスコミもあってMetsのエース格Noah Syndergaardを放出するという憶測も飛んでいるんですけれど、Metsにしてもプレーオフ圏内まで5.5ゲーム差。まだ2ヶ月半もシーズンが残っている段階で5.5ゲーム差は諦めるような位置ではありません。確かにチーム状態は万全から程遠いにしてもです。
Metsのすぐ上のNL13位のCincinnati Redsなどはシーズン開幕当初ボロボロだったはずと思っていたらこのオールスター後の時点でワイルドカードまで3.5ゲーム差まで知らぬうちに浮上しているという具合です。

こうなってくるとNLの方はトレード期限での売り手が少ないことになります。もちろん選手契約の都合上今季Bumgarnerを売ってしまった方が得といった判断はそれはそれで正しいのでしょうが、そういうパターン以外はNLの各チームからの出物は少なさそうです。
出物が少ないだけに今年に賭けようというチームによる争いは激しくならざるを得ない。そしてBumgarnerの過去のポストシーズンでの鬼神の活躍ぶりはMLBファンなら誰もが覚えていることでしょうから今年勝ちきりたいチームにとってはプロスペクトの2枚や3枚叩き売っても欲しいと思うのはわかるところです。

Yankeesが悪の帝国と呼ばれてFAに大枚をはたいて有名選手を集めていた時代からはかなり経ったわけですが、今年のYankeesのここまでの戦いっぷりを見ると今年は無理をしても勝ちたいと思っても不思議ではないところ。これから月末にかけてプロスペクトだけでなく現有戦力を放出してでも補強に来る可能性があるのかないのか。

NFLがシーズン18試合化を提案へ

次期労使協定交渉にNFL側はシーズンを延長して現行の16試合から18試合とすることを提案するようです。ただ2週間伸ばすだけでなく、選手はシーズン最大16試合までしか出場できないという変化球付き。
アメスポの経営者は次々いろいろ考え出しますね。感心します。

NFLがシーズンを試合数を増やすのは1970年代末に14試合から現行の16試合制への変更をして以来となりますからおよそ40年ぶり。シーズン拡張は試合のないbye weekを設定して17週制とした1990年以来。想定されるのは現在各チームが4試合行っているプレシーズンゲームを削って開幕を前倒しにすること。現行ではカレッジフットボールがシーズンを開幕した翌週にNFLがレギュラーシーズンを開幕していますが、もし18試合19週制となるとNFLがカレッジフットボールの開幕一週前の週末に開幕するということになるのでしょう。その場合だとプレーオフやSuper Bowlのスケジュールは現行と同じタイミングとなります。

選手が16試合しか出場できないとすれば選手は出場試合数は増えないので体力の消耗疲弊を理由にシーズン延長には反対できない、という理屈になるのでしょうね。プレシーズンを削ってのレギュラーシーズン延長なので拘束期間もあまり伸びないはず。キャンプがシーズン開幕に合わせて前倒しになったとしたら拘束期間は伸びますが。
なんでもシーズンが2週伸びることでNFLは$2 Billion=2000億円をゆうに超える増収になる試算なのだとか。現行の労使協定ではその50%が選手側に流れるという仕組みなので選手側も大きな増収になるはずとのこと。

NFLのプレシーズンの4週、Hall of Fame Bowlや不定期の海外興行なども含めると5-6週も延々とプレシーズンマッチを展開するのがかなり間延びしていたのは事実です。これを正式試合と名前を変えるだけで$2 Billionですよ!ということみたいです。

私の第一印象ではこれはなかなかのうまい案だなと。強制的に出場しない試合が作れるのでチームのbye week以外にもチーム都合で計画的に休みがとれてベテラン選手や故障を抱えた選手のやりくりがそのまま戦略にもなります。
特にエースQBが出場しない2試合はバックアップQBで賄うことになります。これはカジュアルなファンにもはっきりその差が見えるおもしろいことになるように思いますね。シーズンのアクセントにもなるでしょう。
全ポジションで全試合出場不可だとキッカーやLSなど特殊な人員はどうするんだ?という疑問もありますが、それは枝葉のことでしょう。今週は本職のPKがいない週なのでパンターがPKをする、それが勝負を分けるなんてこともありうるんでしょうか。ロースターの人数の拡大をしないままで本当に回せるのかななどなど想像するとおもしろいです。
最初に述べた通りまだ先の労使協定交渉の前段階で出てきた案ですから細かいことはまだなにも決まっていないんだろうと想像します。

厄介払い

Houston RocketsとOklahoma City ThunderがChris PaulとRussell Westbrookを交換トレード。Houston側がThunderにドラフト権を付けてバランスをとってます。

これでHoustonの方はJames HardenとWestbrookというNBAで最もボールを専有する2人を揃えて勝負。Thunder時代にチームメイトだった2人の再結合でもあります。Thunder当時はHardenはベンチスタートがほとんどだったはずですが、今回は2人ともMVPを獲得してNBAを代表する選手同士になってと立場も変わっている。NBAの戦術もこの間に大きく変わり一人のエースがボールを専有することをよしとするようになってます。
と言って2人ともがいままでと同じだけのシュート専有することは物理的にほとんど不可能でしょう。どういうケミストリで最適解を求めるのか。Rusが譲るのか。楽しみに待ちたいと思います。

Oklahoma Cityの方はどうするんだよコレ?という感じのトレード。Paul Georgeを放出して優勝の可能性は大きく減退。まあ昨年の様子を見ればPaul Georgeがいても優勝の可能性はかなり低かったので解体自体は仕方ないというのは理解可能な範囲内です。しかしWestbrookにとっては愉快な話ではないのは確か。次々と有力選手は放出するけれどなぜかHC Billy Donovanのクビは安泰という意味のわからなさ。
Oklahoma Cityはドラフト運にも恵まれ地方の新興チームとしてはこれ以上ないほどの才能の選手たちに恵まれたチームだったのです。CharlotteとかOrlandoとかSacramentoとかと比較したらその幸運度の高さは飛び抜けています。将来の3人のリーグMVPを同時に抱えたり、Steven Adamsのような拾い物もしている。
しかし結局MVPを3人とも失い、残るのは34歳のChris Paulと大量の1巡目ドラフト権です。ドラフト権にしてもHoustonやLos Angeles Clippersの分はこの先数年はロッタリー指名権になることはないと見込まれるため1巡目下位での指名権でしかない。チーム強化の即効性はほとんど期待できないです。地方都市の優勝の望めないチームに有力FAが来ることもまずない。幸運を使い果たしてしまった感が強い。

昨日のトレード発表もおどろきましたが、今朝になって今度はトレードで獲ったChris Paulをさらに放出しようと画策中という話まで出てます。解体や再建というような方向性のあるものですらないような。何を目指してるんでしょうか。

Chris Paulの行き先としてはまたMiami Heatの名前が挙がってます。HeatはRusのトレード先としても名前が挙がっていました。MiamiはFA市場解禁からすぐにJimmy Butlerとの契約を済ませており、東制覇に向けてやる気があるのかないのかよくわからないところ。事情としては既に放出済みのHassan Whitesideを含め堆積していた悪契約を処分するためにWestbrookでもCP3でも誰でも良いから獲る(交換でその悪契約を放出)ということらしいのですが、まだ最大4年も契約の残るCP3を獲ってそれで契約の整理になるのか多いに疑問です。

女子W杯のVAR採用 アメスポから眺めると

昨夜の年間優秀アスリートを表彰するESPNの番組であるESPYで女子の最優秀選手にAlex Morganが、最優秀チームにFIFA女子W杯で優勝したばかりのサッカー米女子代表チームが選ばれて気勢を上げていました。まあ旬ですしそうかなと。
W杯でGolden BootとGolden Ballを両取り、オフフィールドでもオピニオンリーダーとして明らかにMorganより目立っていたMegan Rapinoeではなく、Morganの方を選んだ辺りは、あまりPinoに目立つ場で喋らせないでおこうという意図がどこからかあったのか。それとも非サッカー国のアメリカらしく判断基準がゴール数だけになってしまうとMorganという判断なんですかね。
Morganはとにかくインタビューがつまらないのがなあ。今だとPino、以前だとAbby Wambachは話がうまかったもんですが。


さて米女子代表が大いに恩恵を受けたVARの採用。VARで何本もPKをもらい、イングランド戦でぎりぎりのオフサイドでイングランドのゴールが取り消され、VARでのレビューが行われず米代表の制限区域内ハンドが見逃されて逃げ切ったフランス戦があったり。フランス戦のあれはVARの運用が雑で進歩の遅いサッカーらしい事象ですね。恩恵を受けた側のアメリカスポーツマスコミではこの件はほとんど触れられることもなく忘れ去られようとしてますが、VAR全般は概ね好評といえそうです。
大会が進んでからは各国のディフェンダーが後ろ手を組むハンド防止策がより多く見られるようになってきてこれはこれで良かったのだろうと。

女子大会でのVARの採用については一悶着ありました。先に男子の方で採用になったのが女子の方では採用が遅れた。それに対して「審判の技量が劣る女子大会こそVARがより必要なのだ」という論法で導入の推進がされ今回実際に採用されたわけです。女性審判の技量が劣るから、というのは男性が言うと差別発言にされてしまいます(本当はこれはおかしいんですけど)ので、声をあげるのが遅れてしまったのはまあそんなもんかと。世界各国に数限りない試合数のある男子サッカーで場数を踏んでいる男性審判と、女子サッカーの普及していない国(=ほとんどすべての国)から来た女性審判では技量に差があるのは当然なのですが。

技量が劣る審判だからこそビデオ判定を先に導入すべきというのはアメスポだと事例があります。審判がボランティアで運営されている少年野球のLittle League World SeriesがMLBよりも先にビデオ判定を導入したというのがありました。既に10年以上の歴史があります。アウトセーフの判定間違い(TVだと視聴者に明確に誤審とわかってしまう)で試合が決まってしまうと無報酬の善意での参加なのに審判は強い批判にさらされる、それをビデオでアシストすることで審判への負担を減らしたというわけです。そこまで早い段階で考えて推進した。
そういう理屈でMLBより先にLLWSで採用するアメスポ。女子W杯にコストが云々言って採用しなかったFIFAと、女子W杯よりも遥かに規模の小さい少年野球でビデオ判定を早々採用するアメスポ。いろいろアメリカ人らしい発想といえるのでしょう。

VARがあっても見逃しが出るというのは人為的な問題です。そしてそれは事前に予想できる事態なのに放置して、実際にそれが勝敗に関わった。この辺の議論がなかなか進んでいかない、予想できる問題を放置してしまうのは非アメスポ的かなあと思います。

野球の新実験 ロボ主審

野球の独立マイナーリーグAtlantic Leagueのオールスター戦でボール・ストライクを機械判定するという実験が行われました。技術的には以前から既に使える状態であったと聞いていたものが遂に現場で使われる日が来たというわけですね。
マイナーリーグの、それも非公式戦であるオールスター戦での採用とまだまだMLBでの採用までの道のりは遠そうですが、それでも一歩ということなんでしょう。このストライクゾーン判定のシステムの名前は「TrackMan」というそうです。
これで使われるレーダー技術はここ数年で新車の多くに装備されており、私も日頃からお世話になっている既に身近となってきている技術。その技術でストライクゾーンの試合中のブレや、審判ごとの癖などを排除していけることになるわけですね。

この件は技術の問題よりも大きい障害は、審判の労働組合であるMajor League Umpires Associationが職域を侵されまいと踏ん張っているため前に進みにくいというものです。今回の実験では主審はいつもの場所に立っており、人員削減ひいてはコストカットには貢献しないということになっており、その意味では審判組合も受け入れやすい改革方向であるのかもしれません。

ストライクゾーンで審判と打者、捕手と審判がモメて口論になるというおなじみのシーンは過去のものとなって消えていくことになるんでしょうか。



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